2019年12月のIPO注目案件はフリーということになりそうです。予てから上場観測されていたフィンテック系企業になります。中小企業のクラウド会計では非常に利用者数が多く知名度が高いですね。
会計作業は、人が機械に取って代わる仕事と言われていますので今後も伸びていく事業だと思います。しかしながら、現時点で赤字の状況ですし売上高は伸びているものの未来の成長を期待して買えるかどうかのIPOになります。
会計ソフトというのは企業が一度採用すれば、継続的に使うこととなるのでサブスクリプションモデルとしても注目です。今ある売上高にさらに採用件数が増えることで、売上と利益がそのまま伸びていくようなビジネスモデルというのは注目でしょう。
IPOスペック
フリーは吸収金額300億超えの規模のIPOになります。また売出が多く売出し比率は約7割、オファリングレシオも高めで、既に投資しているベンチャーキャピタルなどの出口案件という見方もあります。
さらに1円価格というタダ同然のストックオプションを連発しており行使期間に入っているのは、これから参戦する公募組にとっては嫌気がさす部分と言えそうです。
こういった出口感があるなか仮条件がどう設定されるか?も初値以降の株価に重要な指標となりそうです。海外募集も多いので海外の機関投資家の意向も大きく左右された仮条件になると思われます。さすがに買い手がつくギリギリの仮条件には設定してくるでしょうし、365日といったきついロックアップにもあるように上場後も株価は安定させたい思惑はあるでしょう。
決して初値向きとは言えませんが、これだけ注目されているIPOですので無様な結果は見せないで頂きたいところですね。
なお、300億レベルは大型に見えますが過去のIPOを考えれば超大型でもなく、今年で言えばSansanと同じレベルです。Sansanは不安視されながらも初値結果は健闘しました。
過去のマザーズ大型案件を振り返ってみると初値勝率はまさに五分五分といったところで、BBスタンスや初値予想をする上では評価がかなり難しくなっています。
なお、大和証券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券がタッグを組んで出してくるIPOで注目度が高いものは初値は良くなる傾向は過去の結果からも感じられます。印象が悪くても注目度が高いIPOであれば、なんとかする可能性も高いです。
BBスタンスは最後まで微妙判断になりそうですが、IPOファン的にはちょっと申し込んで参加したい気分です。フリーは目玉IPOにはなりますが、12月IPOはかなり数が多く分散傾向が見込まれます。そのため、公募株の当選期待は高まるでしょう。
フリーの引受幹事団一覧になります。この中で幹事証券として気になるのは、普段幹事証券として出てこないところですね。特に松井証券と楽天証券は最近IPOに力を入れているのが分かります。
松井証券に関してはこのフリーの引受に関してはかなり力を入れている模様で、注目IPOとして期待しているようです。フリーを公募株で手に入れるためには用意しておきたい証券会社になります。
また、松井証券はオプトベンチャーズに出資していることでオプト系のVCが売り出すIPOの場合は引受幹事証券として名を連ねることが多くなっています。
12月IPOでは「ランサーズ」「ウィルズ」「スペースマーケット」とベンチャー企業IPOの引受幹事です。12月にはIPOで大活躍の証券会社になりそうです。
まずは勝率五分五分のフリーの参加するのかしないのか?そして参加するなら幹事証券で穴場の証券会社もしっかり申し込んで手に入れたいところです。IPOを長く経験してきたものから言うと五分五分なら値下がり幅、値上がり幅の差を考えて申し込んでおいたほうが結果的に長期的にはプラスになる算段はあります。