2025年4月下旬のIPO3銘柄の上場は全て来週に控えています。4月に入ってからトランプ関税で荒れる株式市場ですが、その影響は落ち着いているのか?4月下旬IPOへの影響度はどの程度なのか?少し展望を考えてみたいと思います。

IPO初値予想、読者予想の結果と投票所

4月は上旬の7日に1銘柄が上場しましたが、運悪く下記のチャートを見ても分かるようにここ最近でも最大の下落幅となった日です。その後、数日かけて日経平均株価はその日の下落幅よりも高い位置にはなっていますが、3月下旬からトランプ関税発動の警戒感の下げを回復するには至ってません。

また4月7日上場のIACEトラベルはまだ公募割れ水準で推移しており、IPOの地合いは回復しているとは言いづらいでしょう。個人的にはまだまだ不安定な状況が来週も続いていて、不安やリスク部分の方が、特に初値に対しては高いと思っています。

私はこの4月下旬のIPOで初値売り目線で儲けようという魂胆は捨てて様子見で動いています。その中で、改めて3つの銘柄の寸評をしてみたいと思います。最終的には直前予想で、しっかり初値を予想できればと思います。

デジタルグリッド(350A)のIPO新規上場情報

値がさIPOで、通常の相場であれば1枚あたりの利益に期待ができた銘柄になりますが、今回のように相場が荒れてくると値ガサが仇となってリスク側が大きく見えてしまう銘柄です。公開価格が仮条件の上限では決定しませんでした。それだけ公募申込みの引き合いもギリギリだったと考えられます。公募申込時に需要がギリギリだった時点で、今の地合いで上場時に買いが圧倒的というのは考えづらく、値がさも影響して、とりあえず上場日に大きく下がったところを狙う層が多い銘柄ではないでしょうか?

一方で売り圧はそこそこあり、イグジット姿勢も見られる銘柄です。時期が悪かったと思われそうですね。

LIFE CREATE(352A)のIPO新規上場情報

こちらも地合いの影響を受けて仮条件を大幅に引き下げています。また公募株数もかなり減らしており、意地でも上場を中止せず上場を目指す雰囲気です。フィットネスジム系で上場して店舗を増やして伸ばさないといけないのに、上場時の公募数を減らすというのは、なんともあべこべな状況と感じています。

女性社長が話題でGENDAとも似ていると見られていますが、あのGENDAも上場時は公募割れでした。今回も公募割れから判断して遅くはないと見られそうです。ただ、こちらは上場時に話題性が大きく出れば逆転的な買い需要旺盛状況も考えられます

女性向けのビジネスですので、ちょっと男性目線では遠目の存在に感じてしまいますね。イグジット圧も強く、価格設定も割高感があり、鼻の下を伸ばして買うと痛い目にあいそうです。

エレベーターコミュニケーションズ(353A)のIPO新規上場情報

こちらは札証アンビシャス上場で、特に日経平均とか世界の相場が影響しなさそうな銘柄です。こちらはいつも通り地方上場銘柄で地味系はどうなのぐらいで見ると良さそうです。非常に閑散とした状況で、動意づくかどうかですね。

業種的には一定数の需要がありそうなビジネスですが、メンテナンス系は去年のCrossEホールディングスあたりを連想します。普通に公募割れで、さらに下げて推移しており、あちらは上場時も多少は割安感や配当の感触は良かったです。今回の価格設定をみるとエレベーターコミュニケーションズを買うぐらいなら、地方上場でもっと割安で放置されているような銘柄を仕込むほうが面白いと思っています。

とはいえ4月の最終上場で、一気に狙われて短期鉄火場相場の可能性があるので上場時の朝の板は注目ですね。


当方は上記3銘柄を全てC(4)評価としました。Dのパスに近い微妙銘柄という判断です。特に初値売り視点では期待値があまり出ない銘柄が続いているという感触です。

IPO初値予想、読者予想の結果と投票所

腐ってもIPOという結果になってほしいですが、結局5月のIPOも例年数少なく次にIPO盛り上がるのは6月でしょうから、この4月IPOがどうなっても、あまり今後のIPO市場の地合いには影響しないと感じられます。ゴールデンウィーク前に一儲けが一番良いですが、ゴールデンウィーク前に損をして、さらにGWも相場が荒れて下がるなんて感じだと、楽しく休日期間が過ごせません。

心理的にも少しリスクオフに向いている方が、じっくり取り組めて良いのでは?と感じています。