夏の振り返りシリーズ。2025年の前半のIPOの状況と、9月から12月まで再びIPOが活況になる前に現状のIPOの状況を振り返っておきたいともいます。また数年単位でのIPOに関しての振り返りもじっくりと時間があるときに考えておきたいですね。

【IPOサマリー】2001年以降のIPO情報を一覧、グラフ表示

まず長期的なIPOの流れを見る観点では上記の年別のサマリーページを見ながら考えると掴みやすいでしょう。特にグラフ表示が年レベルで傾向を掴むことが出来るので、私自身も自分の感じている感覚と、実際のグラフをすり合わせて考察しています。

個人的に2025年の前半のIPO自体は派手な高騰などの銘柄は見られないものの、しっかりとした初値結果になる銘柄も多く、ここ数年の地合いの悪さを言い訳に結果を振り返っていた時期に比べると緩やかに回復していて、低いレベルで安定しているという印象でしょうか?

【IPO初値結果一覧表】騰落率、損益、その後の値動きなどチェックに

32銘柄の初値が付いた中で、公募割れは3件、公募同値が1件でそれ以外はプラスになっています。飛び抜けた初値高騰は、数年前のIPO改革で公開価格が低いので高騰銘柄が多いのをならしたい状況なので、1撃50万、100万というのは残念ながら今後は出にくい状況です。そういった目立った結果がないので、IPOの人気というのは落ち着くかと思いきや、小さな利益でも安定するなら欲しい人が継続しており、取得するのはそんなに簡単ではないという、若干レッドオーシャンに近づくような動きは感じているかもしれません。

それを示すかのように歴戦のIPOブロガーさんなども、IPOに関係するのを縮小しているイメージはブログ更新をやめたりなどから感じる部分があります。

IPOの長期結果グラフと見ているとネットバブル全盛期のデータも入っていて、そこからリーマンショックを迎えた時期、リーマンショック後、回復期とも言える中で2013年~2020年は再び平均騰落率が高くなっていて、いわゆるアベノミクス相場と同時にIPOも盛り上がっていた時代です。年間の銘柄数も増えている時が一番雰囲気もよいですね。

私は長期的にはIPOは4つの期間に分けて考えていて、その4つの期間が循環していると考えています。

  • IPO成長期(2013年~2015年)
  • IPO好調期(2015年~2020年)
  • IPO衰退期(2020年~2024年)
  • IPO停滞期(2024年~)

直近では上下の緩やかさは時期によって変わるものの、これから「IPO停滞期→IPO成長期」に移行するまでの期間内という雰囲気です。今はIPO以外にもいろいろな手段で資金調達できたり、上場だけが魅力ではないなど言われたりもしますが、IPOだけに視点を当てて長年見てきているものとしては、やはりIPO成長期の一番初め頃に遅れず参加できている状態にいることが、しっかりと儲けるのは大事なことだと感じています。

今はパッとしないなぁと感じつつも、次のうねりを見逃さないようにしたいところかもしれません。

黒澤が保有している全証券会社26社の特徴と感想を随時更新

当方のブログはスタートは2007年で、後2年で20周年ということになります。20年もやれば仕組みや流行りなどは当然変わっていてアップデートする必要があります。当然、IPOに対する考え方もアップデートしないといけないと同時に、歴史は繰り返すということで根本の仕組みの部分を見つめ直すことで、新たなチャンスを逃さないようにしたいですね。

AIも台頭してきており、情報をWEBメディアだけを通して展開するという手法ももう古いと言えるかもしれません。新しい仕組みも取り入れて、より効果的に、より効率的に前に進めるように、色々考えて取り組みたいと考える次第です(裏ではセカンダリー取引の考察にAIを取り入れて、何か面白い取引ロジックを編み出せないか?裏で研究しています)。

2025年の前半はネット証券での不正取引問題も大きな事象でした。2025年中はまだまだ変化点も多い状況が続くかと思いますが、セキュリティ強化と利便性がオンライン取引で前進することにも期待したいと思っています。