株式投資型クラウドファンディング(ECF)のプラットフォームとして業界No.1として牽引してきたFUNDINNO(ファンディーノ)が上場することになりました。出してくる案件が上場するのを支援する、それを投資させるという企業の上場ということで、もう少し結果を出してからという見方もできますが、当方としては創業当初から追っかけてきており、創業時からFUNDINNO(ファンディーノ)自体もベンチャーとしてIPOまで行く勢いがあったので、今回のIPO新規承認は不思議ではありません。
新規承認が出てから読者の初値予想投稿では、過去の出資者からの不満が出ているのか?結構な評価の低さとなっています。ECF案件は特にマイルストーンで表示してくる数字というのは全く具体性のないものになりますので、そのとおりになると期待していると期待外れという方が多いでしょう。あくまで数字作ってアピールしていると言える内容が殆どです(むしろ全てです。あえて数字を低くする意味はないですから・・・)。
私も過去にECF案件には複数出資していますが、倒産したり業績がうまく行かずといった案件も複数体験していますが、イグジットした案件もありますし順調にバリューアップしている案件もあります。それでもFUNDINNO(ファンディーノ)の上場までに1社でもグロース上場で大幅バリューアップするような結果が欲しかったでしょうか?
現時点でのFUNDINNO(ファンディーノ)の上場はそりゃ評価されにくいというのは分かります。さらにFUNDINNO(ファンディーノ)はダウンラウンド上場(1年も経たず半額評価)です。間違いなく上場を急いだ感はあります。しかし主幹事は野村證券ですし、上場時は駄目だけどその後なんとかなるような企業として実は上場時が買い得という可能性もありますね。初値は駄目だけど実は上場時は買いやすかったパターンです。
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当方は2017年からのすべての案件のデータをまとめており、これまでの軌跡もすべて確認できます。FUNDINNO(ファンディーノ)さんは2017年に第一号案件をスタート。そこから2021年頃までは上り調子て事業を進めてきました。しかし、5年ぐらい経ったらスタート時の案件がそろそろ目を出しても良い頃なのに、一向に思惑通りに行かず、ECFへの目線も厳しくなっている頃です。件数も総調達金額も伸びがなくなっており、むしろ縮小気味の状態です。やや厳しい環境の中、特定投資家案件など小口ではなく大口案件を増やすことで売上を作っています。
エンジェル投資の民主化を掲げている割には、大口部門を儲かるからといって注力し始めているのは少し残念かと思いますが、とりあえずFUNDINNO(ファンディーノ)が上場することで「エンジェル投資の民主化」を再度頑張ってほしいところです。
【株式投資型クラウドファンディング一覧表】調達規模、プレバリュー、評価、その後の動きなどのチェックに
なお、上場記念として何か目玉案件でも出ないかな?と探っていますが、今のところ無事に上場するのに必至なのか?逆に案件ペースが落ちています。上場後に目玉案件は用意しているかも知れません。
ECF情勢は一時期頑張っていたUnicorn(ユニコーン)は新規案件はほぼ出ていない状態、イークラウドはじっくり案件を出してきていることが効いているのか、今でも良い状況で案件を出してきています。スピードイグジットを出してくれたのもイークラウドですし、業界としては見る目が厳しくなり淘汰が進む環境かと思っています。
そんな中、FUNDINNO(ファンディーノ)は業界No.1プラットフォームとして継続しているのは間違いないですし、上場時は少し信頼できないと見られているのは仕方がないかも知れませんが、投資家にもう少し良い思いをさせる状況にならないと先はないと気を引き締めてほしいですね。
個人的にはFUNDINNO(ファンディーノ)さんにもイークラウドほどとは言いませんが、少し案件ペースを落として丁寧に案件を扱って欲しいなと感じます。あまりにも投資家に判断を委ねすぎてアピールポイント臭が強すぎます。今でもかなり選別して出しているらしいですが、現状の結果を見ているとまだまだ甘いというのが評価です。
私は競走馬ファンド(一口馬主)もしていて、似たような雰囲気があるサービスなので、案件の折り合いって非常に難しいんだろうなぁとは感じています。出資側の目線次第で悪くない結果が出せることは間違いないです。嫌なら出資しなきゃ良いわけですから・・・。



