ゴールデンウィークという一呼吸をおけるタイミングで、いろいろな出来事を振り返っておこうと思います。まずは2026年のIPOですね。特に年初IPOから連続公募割れという、ここ10年以上みてもないレベルの厳しい結果となりました。中東情勢なども含めて複合的な要因はありますが、それにしても年初からの流れでIPOのイメージは相当崩れたのではないかと思います。

【IPO初値結果一覧表】騰落率、損益、その後の値動きなどチェックに

IPOの初値が高騰しない、または公募ゲット初値売りだけで儲かるという時代は終わりそうという雰囲気は、ここ2年程度の動きから変化自体はありました。特に昨年感じた人も多かったと思いますが、「東証の上場維持基準の経過措置の終了」に伴い、上場時からある程度の時価総額をという流れになって、売出し・放出数の多いIPOが増えたのは感じたと思います。これによりプライマリー勢の需給価値が低減しており、上場前に手にするインセンティブが薄れています。

また、成長余地があるということで小型で上場しようとしても、なかなか上場審査を通過しないのか?小型IPO自体の数が減りました。IPOの初値は小型で需給で暴騰するところもあったので、そういったIPOが数を潜めているのも一因です。

そうなると、中途半端なグロース中規模のIPOよりもより大型で注目度の高い安心IPOの方に買いが集まって、「大規模>小規模>中規模」の順でIPOの価値が高いといった現象が起きていると感じます。IPOで一番多いのは「中規模」ということになるので、今の価値評価が続くと、相変わらずIPOで特に初値が以前のように上がらないというのは今後も感じるでしょう。

【IPOサマリー】2001年以降のIPO情報を一覧、グラフ表示

過去20年レベルのIPOデータをグラフで振り返ると、まだ2026年のIPOが最終決定ではないですが、リーマンショック級の金融恐慌が起きたときがIPOも相手にするのもバカバカしいといった状況になっていました。回復するのに3~5年もかかっています。その前はIPOバブル状態でしたので「山高ければ谷深し」の状態でした。その後は2012年ぐらいからIPO回復傾向があるものの、急激に上がるのではなく緩やかに上昇、コロナ禍が起きる前の段階で東京オリンピックが開催される2020年にはIPOはかなり盛り上がるであろうと言われていました。結局、コロナ禍などで後ろ倒し等もありましたが、2021年が件数でもIPOは再び頂点となっています。

その後は、今は緩やかに下り基調と感じるのが今のIPOです。象徴的な出来事として2026年は年初から7連続公募割れ、そして現時点でも勝敗で負け越し状況です。年単位で見て、この2026年が再び谷の位置になるのか?それともここから更に下がって、もう少し後に再び上がるのかを見極めるフェーズにあるといえるでしょうか?

個人的な意見としては、「東証の上場維持基準の経過措置の終了」によりIPOは上場時のスペックが大きく変わっている状況で、上場時は表面的に需給面で面白みがないようになっていますので評価されづらく、今は上場時に苦難の銘柄が多く出ていると感じています。これまではIPOは上場時は大きく高騰して長く見たらいつの間にかどんどん株価が下がっている銘柄が多く、ごく一部の銘柄だけ長期的にも上がっているという雰囲気でしたが、今後はセカンダリーでは数年後にある程度、株価を維持しているか上がっているという少し健全化された市場になっているという見立てです。

そういう感触を数年で感じることが出来れば、「それなら上場時から買っておくのは得策だ。」と、上場時も少しIPOプレミアムが付き始めるのではないでしょうか?

市場環境は今後も変わるでしょうが、株式市場でIPOという手段は今後も一つのイベントとして残るでしょうから、うまく関わって立ち回り続けられるようにありたいですね。なお、既に「公募ゲット、初値売り」だけでない動きにしたほうが、儲かりやすい環境になっていると思います。