2023年のIPOは主幹事レースでは、当方調べでは初めてSBI証券がNo.1の実績を残しています。
IPO引受実績一覧。主幹事・幹事・裏幹事(委託幹事)実績数を掲載
もともと幹事証券としての実績は毎年ダントツで請け負っていましたが、2023年は主幹事としても躍進しました。SBI証券主幹事が多かったなぁと感じた人も多いのではないでしょうか?それだけIPOではSBI証券は最重要証券会社とも言えますので、SBI証券に絞って今回は考察をしてみたいと思います。
SBI証券は2023年は数は多かったけど「5連続主幹事機会公募割れ」を含めて、初値結果がパッとしなかったなぁと感じている人も多いでしょう。そのイメージは間違っておらず2023年戦績では23銘柄中、12銘柄がプラス、9銘柄が公募割れ、2銘柄が中止という結果でした。勝率で表現すると57.1%という結果でした。IPOでこの勝率はかなり悪いですので、数は多いものの意外と結果は良くなかったと言って良さそうです。
そんなSBI証券はIPOチャレンジポイントという仕組みも戦略上非常に大切で、私は2015年以降のデータを纏めて考察しています。最近の話題はIPOチャレンジポイントのインフレ化ですね。ポイント自体の換算価値がかなり落ちています。
SBI証券のIPOチャレンジポイントを大分析!過去の当選ボーダーラインを調査、ポイント戦略は?
2023年のデータもある程度まとまってきましたが、評価が悪い銘柄も多かったので、ボーダーラインが取れてない物も多いです。敢えて公募割れする銘柄をポイントで取る人は少ないと思いますので、マイナスを食らっている人は少なければ良いのですが、最近はとにかくポイントを現金化しないとさらにインフレ化して価値が落ちるという雰囲気にもなっていますので、勝負どころが難しくなっています。私は昔にポイントを使ってしまっていて、まだそれほど貯まっていないのでホールドが続いていますが、そろそろ現金化したいなぁと思いつつもポイント単価を見渡してみても、2023年は500円以上になればいいレベルでした。
なお、年度別のポイント単価平均も出していますので、ここで紹介したいと思います。
- 2015年 2,732円(ポイントボーダー平均170P)
- 2016年 1,203円(ポイントボーダー平均156P)
- 2017年 2,289円(ポイントボーダー平均238P)
- 2018年 2,325円(ポイントボーダー平均319P)
- 2019年 875円(ポイントボーダー平均326P)
- 2020年 1,099円(ポイントボーダー平均350P)
- 2021年 418円(ポイントボーダー平均400P)
- 2022年 215円(ポイントボーダー平均270P)
- 2023年 301円(ポイントボーダー平均558P)
このデータだけで見ると2015年からボーダーラインは徐々に高くなっており、今や平均でも500Pを超える状況です。一方で、ポイント換算は当然落ちていますが、2022年が底にも見えるような状態ですね。2022年はポイントボーダー平均自体も低いことから、かなり魅力的なSBI証券主幹事IPOが少なかったと言えるでしょう。2023年は少し数が増えておかげで選別できて勝負できた銘柄があったという理解で良さそうです。
数年前なら1P2,000円以上出せたものが、今では500円超えればかなりオッケーですので価値的には4分の1まで下がっています。IPOチャレンジポイントが貰えるキャンペーンも増えていて、皆さんにポイントが貰えるチャンスも増えているので当然価値が下がるのは仕方のないところですが、これを見る限りではうまくやって2024年以降は1P500円以上の価値を出せば大成功と言えそうです。
SBI証券のIPOチャレンジポイントはIPOの落選で貰えますので、とにかく早く始めて落選でもポイントを貯める作業(準備)も大切です。IPOに取り組んでいる人でSBI証券は使っていないという人はあまりいないと思いますが、これからIPOが気になるという方は、もしSBI証券の口座がない方は早く作って参戦することでポイントを貯めていきましょう。
私も引き続きIPOチャレンジポイントの考察は続けていきたいと思います。2022年が底入れだったといえる結果が今後出て欲しいところですが、SBI証券はどうもIPOできな臭いニュース「初値吊り上げ操作」も流れました。IPO自体も初値高騰を防ぐ方向には行っていますので、業界の動きにも機敏に対応してIPOで利益を出せるようになれればと思います。
2024年はさっそく金融庁から「一部業務停止命令」がSBI証券に出そうでIPOに関わる部分ですので、活躍の場は少し減りそうです。それで2023年に駆け込みで上場数が多かったのか?と少し勘ぐりたくなりますね・・・。