今年も12月はIPO上場ラッシュを迎えます。現在、複数のブックビル期間中ですが、ここで今年の12月IPOの様相を少し振り返っておきたいと思います。今年のラインナップは注目は大型のSBI新生銀行がどうなるか?最大同時上場は3社とやや落ち着いているので、例年ほど分散されないのか?いつもと同じなのか?ですね。

IPO初値予想、読者予想の結果と投票所

なお、過去の12月IPOとの規模感などサクッとした比較をしたい時は当方のサイトで用意している「カレンダー表記」の一覧ページが役に立つかもしれません。このページを見ると月全体の吸収金額合計と件数、同時上場日の吸収金額合計も簡単に見れます

【IPOカレンダー・一覧表】騰落率、損益、その後の値動きなどチェックに

過去5年の12月の状況を少しだけ載せておきます。

  • 2025年(件数:15件 / 吸収金額月計:450,089,953,500円)
  • 2024年(件数:18件 / 吸収金額月計:278,551,347,400円) 5銘柄公募割れ、キオクシア割れ
  • 2023年(件数:15件 / 吸収金額月計:35,364,165,800円) 8銘柄公募割れ
  • 2022年(件数:26件 / 吸収金額月計:131,096,956,000円) 6銘柄公募割れ
  • 2021年(件数:33件 / 吸収金額月計:235,043,644,500円) 13銘柄公募割れ
  • 2020年(件数:26件 / 吸収金額月計:147,071,726,000円) 2銘柄公募割れ

今年は件数こそ少ないものの大型のSBI新生銀行が登場することで、月全体の吸収金額は大きいです。12月の大型IPOで注目度が高かったもので公募割れした銘柄としてソフトバンク(2018年)が挙げられます。規模感が大きく違いますが、当時も注目銘柄ということでやや楽観視された部分もありましたが、壮絶な公募割れだったため多く取っていた方は度肝を抜かれたことで、まだ鮮明な記憶となっているでしょう。

今年も件数は上場ラッシュ感は少ないものの、大型があることで注目度は高い12月IPO情勢になりそうです。過去の結果を見ても件数の多さや、吸収金額の大きさ、混雑度合いが必ずしも公募割れの多さに繋がっているわけではなく、どちらかというと12月のIPO地合いの影響が大きくなって、公募割れ複数なんて事象が起きています。

少なくとも過去の12月のIPOを眺めていると、今年も12月IPOでは微妙銘柄は簡単に公募割れしそうというのが単純な考察です。

12月16日~12月19日には大型やC級評価銘柄が続きます。NSグループSBI新生銀行ミラティブパワーエックスの4銘柄が特に「四天王」的な感覚で結果が揶揄されそうな雰囲気ですね。

IPOは特に市場再編後から、東証グロース市場上場維持規制、初値急変を抑える公開価格設定など、徐々にマイルドになってきていますので、大きく儲けるのは難しくなってきているというのが大きな流れです。その代わり、上場銘柄の信頼性は多少は上がっている筈なのですが、そこの是非は怪しいとして見られていることが続いていると感じます。

残念ながら2025年のIPO件数は昨年よりも大きく減りました。それでもIPOはまだまだ続いていくと思いますので、うまく立ち回って毎年少しでも儲けることが出来る取引の一つとして参戦していきたいですね。