IPOに関する都市伝説的な内容を検証するシリーズ。

IPOトレーダーの中で、まことしやかに囁かれる噂や都市伝説について紹介します。

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久しぶりの都市伝説シリーズ9回目の記事になります。今回は「前受金不要の証券会社について」です。もともとブックビルディングとは需要観測なので、その時点では入金不要が正しいのですが、慣習的に前受金を要求する証券会社が多かったです。

ただ、近頃前受金不要が増えていますが、その背景とでも実際どうなの?に関して書いてみたいと思います。


2017年に「前受金不要になりました。」と報告している証券会社を含め、今後前受金不要にしてそれを売りにする証券会社も増えてくるかもしれません。

現在前受金不要は「野村證券(ホームトレード&ネットアンドコール)」「いちよし証券」「岡三オンライン証券」「むさし証券トレジャーネット」「ライブスター証券」 あたりでしょうか?

他にもあるかもしれませんが、私がIPO申込で使っている証券会社でネット申し込み系だとこういったところです。特に後半のネット証券系は、IPO訴求の一つとして前受金不要を売りにしてきました。

そしてIPO投資家界隈で出てくる疑問として「前受金不要だけど、やはり心理的にはお金入れておいておまじない掛けとくか」という人と「完全抽選だから関係ないでしょ、資金移動面倒」という感じになっていると思います。

これに対する完璧な回答は、実は抽選方法は結局ブラックボックスなので確かなことは言えません。ただ、傾向として感じるのは「歳量色のありそうな証券会社や抽選システムの整っていなさそうな証券会社は前受金入れたほうが良い可能性がある」と思っています。

上記証券会社では「いちよし証券」は電話申し込みです。「ライブスター証券」もコンタクトフォームでの申込ですね。抽選方法は例えば機械的と何処かに書いていても、その詳しい方法前は書いていません(申込時に人的要素が既に入っています)。

証券会社の思惑としては、なるべく抽選したらしっかり配分して仕事を終わらせたいと言うのがあります。ならば、心理的にも配分できるか分からない口座よりは、しっかり渡せそうな口座に渡したくなります。最初は平等抽選としても、何か余った株が出てきたらすぐに割当できそうな口座にお声がけするのが普通だと思います。

なお、前受金不要の理由の一つとして「IPO一見客に、BB時だけ入出金されると銀行の振込手数料だけ掛かってしまってコスト損というのもあります。」私たちはネット入出金で手数料無料でも、システム利用料として証券会社はトランザクションの手数料を払っている可能性があります(というか払っているでしょう)。

ですので、やはりIPOの時だけしか入出金しかしない客というのは証券会社にとっては最悪な顧客ということになります。嫌われても仕方なく、それを排除するために、配分者確保を捨ててでも前受金不要を打ち出しているように思えます。

このようになったのもIPO人気が影響していて、配分者確保しなくても現在は大人気状態です。実は証券会社が自由に選別できる状況ですので、「入金しておまじない」ではなく「取引もちょっとしてあげる」ぐらいの姿勢のほうが「おまじない効果」は高いかもしれません。

今までの8回のシリーズもおさらいでリンクを貼っておきます。

【IPO当選都市伝説 その1】申込時期が遅いほうが当たりやすい!?

【IPO当選都市伝説 その2】マネックス証券、申込番号2種類の謎!

【IPO当選都市伝説 その3】委託幹事(裏幹事)の仕組みは?当選はするのか?

【IPO当選都市伝説 その4】SBI証券の抽選方法の怪?何故複数セット当選が出るのか?

【IPO当選都市伝説 その5】年末年始、第1号!その他アノマリー問題!

【IPO当選都市伝説 その6】新規口座開設後はIPOが当たりやすい!?

【IPO当選都市伝説 その7】2016年の裏幹事戦線に新たな動きあり!?

【IPO当選都市伝説 その8】何故上場ラッシュと閑散期が出てしまうのか?また上場日の重なりは?