2022年6月23日上場の坪田ラボ(4890)で再びロックアップ違反という残念な事態が起きてしまいました。IPOファンの方はまだまだモダリスで起きた事件を覚えているでしょうし、あの事件がIPOセカンダリー市場を冷めさせているのも事実でしょう。
坪田ラボが出したリリースです。「制度ロックアップ」違反のようですね。モダリスの時と同じ内容になっています。
上場申請直前事業年度以降に行った第三者割当等により株式の割当てを受けた者は、株式上場日以後6ヶ月を経過する日までの間は、当社株式を第三者に譲渡しない旨、また当社株式を第三者に譲渡する場合は事前に当社に書面にて通知をする必要がある旨等の確約
制度ロックアップは前回(モダリス時)も認識不足によって防止できておりませんでした。結局、口約束で罰則もありませんし、通常のロックアップのように改めて新規公開時にロックアップ制度として書かれないので見過ごされやすいのかも知れません。一度あったことは、またありそうと思っていたIPOセカンダリー勢も多く、現在のIPOセカンダリー相場が盛り上がらない要因の一つにもなっていると考えられます。
それにしても坪田ラボのリリースを見る限りでは、基本的に証券会社側の落ち度が大きいと思います。IPO主幹事のプロとしては、当然ロックアップは重きを置いている制度でしょうし「制度ロックアップ違反」に関してはモダリスで起きてしまっていてホットな情報な筈です。
最後に対象か確認までされていて通してしまっているのは、あまりにも証券会社側が対応が緩いという印象は否めません。ロックアップ規制に関しては証券口座にて株を保管しているのなら、まずはシステム上売れないようにするというのが証券会社としての正しい対応に見えます。
罰則をつけろという声も、あまりにひどい状況が続けば声が大きくなるでしょう。そうなる前に安心してロックアップがかかるシステムになってますよとアピールして頂ければ、セカンダリーで参戦する側としても納得行くのではないでしょうか?
それにしてもIPOでも株価安定に重要な部分が、こんなお粗末な管理状況になっているとIPO人気が更に落ちてしまいそうです。