6月IPO2件目の新規承認です。上場日のスケジュールが可変型ですが、最短で6月11日予定となっています。今の6月IPOのスケジュール状況なら早めに予定通り上場を目指しそうですね。

D&Mカンパニー(189A)のIPO新規上場情報

D&Mは何の略か気になるとこですが「Doctors’ & Medical Industry’s company」とホームページでも書かれてますのでドクター(医者)と医療系産業へのサービス会社となります。医療産業支援サービスと纏めると良さそうです。

想定価格は1,000円。主幹事は大和証券です。
吸収金額が想定価格ベースで7.82億円で、東証グロース上場の小型IPOです。

医療機関の経営サポートサービス業はここ最近IPOも増えていますね。医療分野のサービスも複雑化しており、こういったサポート企業が増えています。福祉・介護などの領域でも多いですね。

事業内容は「3つのサービス」を主としています。それぞれ英文字頭文字なので分かりにくいかもしれませんが、すぐ下に補足のカタカナ語などが入っています、目論見書でも説明されていますので順番に紹介していきます。

事業全体の特徴としては医療機関の経営にとって必要な支援をワンストップで提供することを謳っています。医療機関は医療従事に集中してもらい、ファイナンスや組織経営、人材支援などは外部がやったほうが効率的という形です。コンサル系の医療特化と見たら良いでしょうか?

それでは3つのサービスを順に見てみましょう。まずは「F&Iサービス(ファイナンス&インベストメントサービス)」です。

メインとしては診療報酬の2~3ヶ月のズレを早期に現金化する仕組みです。ファクタリングサービスですね。医療機関は遅れることなく現金を手にすることでスムーズな運営が行えます。D&Mは手数料が取り分です。事業自体もまずはこのファクタリングサービスから始めたみたいですね。

「C&Brサービス(コンサル&ビジネスリノベーション)」はコンサル系ですね。経営改善・業務改善、場合によってはM&Aも含めて経営改革を行うようです。医療機関ってこういうことしないと財政厳しいのでしょうか?なんというか儲かっているイメージがあるのですが、良く分かりませんね・・・

最後に「HR&OSでヒューマンリソースとアウトソーシング」です。医療業界の人材の流動性はかなり激しい印象で、この分野だけでもビジネスになっている印象があります。ここは医療人材以外にも外国人就労支援、経理などのアウトソーシング、事務スタッフの人材派遣など、やや大きめの医療機関の運営にあたって人材サービスを請け負う感じになりそうです。

小さなクリニックですと、こういうところに頼って手数料を払うよりはそれぞれ必要なところを外部契約などして経営をしていそうですが、大病院は医療業務以外は頼りたいところなので需要があるのでしょう。

販売実績の約2割以上を医療法人財団コンフォートというところが占めています。調べてみるとコンフォート横浜クリニックというところで、ホームページもありますが総合病院ではあるもののそこまで大きくないですね。ここが2~3割占めているというのは少し不安かもしれません。上場して実績を足がかりに他の総合病院との契約を増やしていくのなら、まだまだスケール可能性はあるという見方もできます。

業績推移的には急成長は難しそうながら、程よい成長を続けそうなのはさすが医療系ということでディフェンシブな要素も感じられます。IPOらしさ的にはやや欠けるかもしれませんが、短期と長期の両方の目線で見ることができそうな雰囲気はあります。

IPOスペック的には小型のグロース上場銘柄ということで、それなりに人気が出て初値でもプラスになりやすいイメージはあります。初値は地合いにも左右されやすそう。長期的にも安定的に推移しそうな気がするものの、上場時に高くなりすぎて上場後は流動性が落ちて面白くない銘柄になるリスクも孕んでますね。相手先が増えずに泣かず飛ばずのリスクも多少有るかと思います。

ゴールデンウィークも終わりIPOが多い6月の新規承認も増えてくれるでしょう。IPOファン的には数が増えるのは嬉しいことですね。

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