上場観測のあったタイミーの登場です。スキマバイトサービスとしてTVCMも良くしているので知名度が高いでしょう。また最近の働き方の潮流を良く汲んでいる事業内容で、ウーバー系など含め「ギグワーク」という名称がよく広まっているようですね。
ビジョンは「一人ひとりの時間を豊かに」、ミッションは「はたらくを通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」です。スキマバイトアプリは激戦区のようですが、業界トップシェアを取っているというのは大きいと言えるでしょう。
想定価格は1,330円(想定仮条件1,230円~1,430円)。
主幹事は大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の共同主幹事です。
吸収金額が想定価格ベースで493億円で、東証グロース上場の大型IPOです。
なお、全数売出で公募なしです。多数のVCや上場会社などの出資の一旦のイグジットとなっています。海外にも配分され、海外の方が国内よりも2倍以上配分される予定となっており、しっかり売り出されるなら案外需給は締まっています。ロックアップも最大6年のものがあるなど複雑に設定されており、上場時の船出対策、上場後の株価対策もある程度なされているように見えます。
改めてタイミーの事業の仕組みですが、短時間のスキマバイトのマッチングサービスです。ワーカー・雇い主ともに空いた時間にチャチャっと働きたい、小さな仕事をしてくれる人を埋めたいという需要があって、そこをピンポイントで攻めています。アプリで簡単にすることも重要ポイントですね。
昔はスキマバイトは考えづらかったのですが、ここ最近はスキマバイトの方が需要が高く、ギグワークという新しい言葉が出来ています。雇用関係を結ばず、単発・短時間の働き方です。コロナ禍でウーバーイーツ(ウーバーは雇用契約あり?)など、いろいろな人が自転車や単車を使って単発で働いたりもして急速に広まりましたね。
タイミーのサービスの特徴です。面白いのがワーカーの属性の部分でしょうか?幅広い世代、幅広い職業、そして男女比も偏っていません。カラーリングで分けていますが、これだけ綺麗に多様性が出ているのも面白くスケール感がありますね。
まさに老若男女、この働き方が普及していきそうです。
その中で、タイミーの拡大の状況です。スキマバイトNo.1を謳っています。右肩上がりで伸びており、飲食業・流通業当たりをメインに特に伸びています。仕事としては「レジ・品出し」「検品・梱包」「デリバリー」「洗い場」「オーダー・配膳」といったそれほど特殊な技能がなくても対応できるものを用意しているようです。
市場の状況です。労働人口の減少は日本では間違いなく進むでしょう。そして働き方の価値感も急速に変わってきており、「会社に縛られたくない・自分の都合に合わせて働いて生きたい」という需要は増えています。ライフワークバランスの重要性は今後ますます顕著になりそうです。
業績です。グロース上場のベンチャー企業らしい急成長は感じられますね。事業内容も分かりやすく、今後も発展しそうではあることから期待感は強いでしょう。一方で、売出価格は一旦のイグジットとなりある程度高値で売りたいというのも見え隠れしています。海外売出が多いことから、海外需要をしっかりと取り込むような仮条件設定にはしそうですので、比較的参加はしやすいと思えるかもしれません。
タイミーのような事業は上場することによって安心感も生まれることはメリットだと思います。全世代のいろいろな人が「タイミーを使って、ちょっと仕事してみよう。」雇用契約がないことで単純に始めやすいというのはあるので、埋もれていた労働力が活用されるのは社会にとっても良いことでしょう。まずはしっかり綺麗な上場をして盛り上がってほしいところですね。
初値予想もお願い致します。