11月IPOも月末付近に複数登場です。ククレブ・アドバイザーズということで少し読みにくい社名ですが「CRE(Corporate Real Estate)企業不動産」のコンサル・ソリューション業ですね。最近、需要の高まっている分野です。

ククレブ・アドバイザーズ(276A)のIPO新規上場情報

事業内容に「AIを活用した」と入っています。最近はどの企業でもなんらかの実績からビッグデータの蓄積・独自ロジックを組み込めばAIなんて表現が使える世の中ですね。ここの本質はニーズの高い企業不動産のコンサルです。

想定価格は1,050円。主幹事はみずほ証券です。
吸収金額が想定価格ベースで14.6億円で、東証グロース上場の中型IPOです。

まず「CRE」という言葉がキーワードになりますね。社名は英語で書くと「CCReB」みたいですが、COMPACT CRE FOR RE BORNとのことです。CRE(企業不動産)のソリューションをコンパクト(効率的)に行うようです。

企業の不動産活用はかなり大きなテーマとなっています。それはこのIPOの目論見書の見出し部分にもたくさん書かれているので、それも載せて紹介します。特に、多くの企業が不動産を持っていますが「十分に活用できてない」というところが多く、こういった専門戦略を持つ会社が必要とされています。

ニーズの部分では特に海外と比較して日本企業はPBR1倍未満の企業が多く、資本効率向上が必要というのは分かりやすいですね。企業の内部留保も叩かれていますが、そこには保有不動産をもっと活用しろというのもあるでしょう。CRE戦略で解決できる部分も多そうなので、ククレブの活躍の場は多くありそうですね。

ククレブのポジショニングです。民間法人の不動産で流通量が少ない部分に注力する戦略です。情報の非対称性・秘匿性によって難易度の高いマーケットとなり参入障壁が高い分野を選んでいます。

自社テクノロジーの紹介です。不動産テックの活用とありますが、AIエンジンと書かれているものは、どちらかというと過去のデータからスコアリングのロジック、マッチングエンジンなどで補助ツール的なものとなっています。しかし補助ツールを活用することで問題解決までの時間短縮に繋がり、結果的に支持されるという雰囲気です。

ソリューション事例も載っていました。バランシング・遊休活用・拠点再編など最終的にやることは一般的な不動産開発と良く似ていますね。案件成約までの期間の短さは自慢できる部分でしょう。半年以内で成約すれば企業も会計的に助かる部分が多そうです。

今後の成長戦略です。かなり高いニーズがある分野ということで、特に新たな取り組みを行うのではなく「件数の拡大」を見込んでいます。上場資金は人件費・広告宣伝費・本社移転などに使われます。業績が好調で勢いがあり、上場してさらに加速を目論んでそうです。基本的には買い時の事業内容と判断できそうです。

業績です。高い成長率で右肩上がり。久しぶりにIPOで良好なグロース企業のグラフを見た気分です。業種・業績で特に文句となる部分はないでしょう。また成長企業ですがセクター不動産業というのもあるのか?結構価格設定も割安と感じます。非常に公募参加はしやすいIPOとして第一印象の評価としたいと思います。

不動産テックというよりかはコンサル業でしょうが、それでもニーズの高い分野で期待はできそうですね。

ククレブ・アドバイザーズ(276A)のIPO新規上場情報

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