11月14日(木)は2社のIPO新規承認がありました。こちらは社会的に伸びている事業のリスキリング系ですね。社名も「リスキル」と分かりやすいです。
事業内容は人材育成事業です。似たような教育事業のIPOも増えていますが、注目されて伸びている分野なのかも知れません。標準化、DX化などでテコ入れされやすい分野とも言えます。
想定価格は3,590円。主幹事はSBI証券です。
吸収金額が想定価格ベースで23.7億円で、東証グロース上場の中規模IPOです。
最近は規模感が小さそうな銘柄でも、売出し放出が増えて吸収金額が中規模レベルになりやすいですね。
事業内容の系統図です。主に社会人向け(会社勤め)の研修サービスとして実地研修・動画研修を用意しています。もう一つは、ITエンジニアを育てるなど、働く前のスキル研修も行っています。スキル研修の方は動画研修がメインでしょうか?
得意としているのが「研修サービスの標準化」「実施プロセスのDX化」です。これによって研修サービスを受けたい側が、非常に分かりやすく、しかも割安な設定でサービスを受けることが出来ますし、実施プロセスも進めやすく改善していることから、講師側も仕事を進めやすいというのが特徴です。
面白いのが、内容の属人化をやめるのが標準化ということで、講師がコンテンツを作るわけではないということですね。DX化は研修に必要な機材や会場の準備などもリスキルが全部用意、体制を整えることで受講管理なども出来ます。
具体的なサービスはホームページから確認すると良いでしょう。
社員研修のリスキルという形で、ホームページが研修ポータルのような役割をしています。IT研修はリスキリングの定番の内容で、ここからITエンジニアになるための基礎知識を学べそうな内容です。IT系企業はここで学んでもらってから採用するなど進めているところもあると思います。
「社会人教育」というものは、本来であれば小・中・高あたりで座学以外の部分で、いろいろな形で学んでいるものなのだと思いますが、今は学校も多様になっていて、それぞれがやりたいことを分断して行っていますし、塾とかで受験に向けた勉強だけが学びだと考えている世の中にもなっているかも知れません。その点で、社会人教育のベーシックな学び直しサービスというのが非常に増えているのかも知れませんね。
業績です。リスキリングが重要視されている社会で需要があるので順調に伸びているイメージです。教育系サービスは注目度も業績も良さそうという状況ですから、それなりに強気に価格設定で来そうです。
やや値ガサ案件ということで、ちょっとリスクも高く感じてしまうかもしれませんが特段問題ない価格設定レベルでしょう。上場日が3社同時上場に重なってしまっているのが、初値視点でいうとひょっとするとの厳しい結果も頭をよぎります。特にプライム上場の大型と被っているのは痛いですね。
既存株主構成は代表の松田 航氏が100%保有、今回は約4分の1を放出です。ロックアップも180日で、ストック・オプションの未行使残もないので、公募組以外の売り圧力は全く感じませんね。SBI証券主幹事ですし、値ガサも考えると売り枯れを狙ったマネーゲームにもなりやすいかも知れません。逆にIPOの数が多い12月なので、出だしでミスるとサーッと潮が引いていくような流れにもなりやすいです。
IPOチャレンジポイントを使った取得は視点が人により異なりそうです。穴場と見れば美味しそうですし、逆に12月の過密時にポイント使ってまで取りに行く必要はないとセーブする人も多いでしょう。難解ですね。
初値予想もお願い致します。