自動運転支援系、高精度の3次元地図データを提供する会社の登場です。IPOらしさのある銘柄ですね。

ダイナミックマッププラットフォーム(336A)のIPO新規上場情報

自動運転を含む・先進支援運転システムに利用される高精度3次元地図データの生成や販売、ソリューションの提供を行っています。自動運転もレベル4まで進んでいますが、これからもっと完全自動の交通社会が広まっていきそうです。高精度の地図情報データはインフラ基盤として重要度が上がりそうですね。

想定価格は1,130円。主幹事はSMBC日興証券です。
吸収金額が想定価格ベースで60.6億円で、東証グロース上場の中型IPOです。

この手の事業は多くの方が目をつけるところまでは行くものの、本気で事業として伸びていくには相当な努力と忍耐が必要かと思います。でも、実現可能な社会が近づいてくると期待感は高まりますね。応援したくなります。

目論見書を見ていきましょう。

まずは会社の概要です。地球丸ごと3Dデータマップを構築して様々な分野に活かそうとしています。まずは自動車の自動運転サポートのためのデータ活用ですね。売上成長率が高く、赤字が続くものの上場まで持ってきました。成長期待はかなり高いでしょう。

事業内容を詳しく見ていきましょう。自動運転向けのHDマップ事業です。従来の地図データ(SDマップ)との違いが分かりやすそうです。かなり複雑で精密なXYZ(3次元)の位置情報を手に入れることで、空間での運動物の制御が出来るようになります。正に自動運転に必要な技術になりますね。

さらにこの高精度3次元データを多用途に展開しようとしています。交通情報や現地の地理情報など情報サービスでも活用ができそうです。

DXが遅れている業者に高精度なガイダンスシステムも行えます。除雪支援システムなどは家のルンバがついに道路にも使われるみたいなイメージでしょうか?自動おそうじロボみたいなのが、街中をたまに走っている光景のサポートにもなりそうです。

自動運転システムから社会課題解決の実現に、複数のプロジェクトや実証実験も行われているようで、自動運転以外にもこれまで想像してこなかった便利なサービスも出てくるかもしれません。

市場規模に関してです。自動運転や先進運転支援システムが導入されている車両は世界レベルで急拡大の途中です。2030年頃にはグローバルで年間販売台数の約4分の1程度の車両がなんらかの自動運転システムが導入されると予測されているようです。それに伴いデジタルマップの市場規模も大きく予想されています。

会社としての強みはグローバルでのカバレッジの高さで、他社にとっては参入障壁が高そうです。日米の高いエンジニア技術が活きているようで、上のデータを見ても、「vs中国」みたいな感じもしますね。自動車会社との連携も日米で高い連携力のようです。

ビジネスモデルについても特徴があって解説されています。プロジェクト型とライセンス型の2本柱で業績に成長と安定感の両立を図ろうとしています。後々の期待はやはりライセンス型で高い収益性が狙えるかどうかでしょう。

成長戦略のグラフはこの手の企業の出す成長戦略でよく見る図ですね。グラフの上がり方がこの通り行くのかは正直不透明なのは否めないでしょう。とりあえず、書くなら上記のような感じでイメージしてますといったところでしょうか?ここは資料作成しました感は否めないところです。

業績です。連続赤字ですが、売上がここ2~3年で急速に伸びており、いよいよ売上が跳ね上がるフェーズということでの上場です。上場タイミングとしては、こういう近未来感のあるスタートアップ企業としては悪くないタイミングでしょう。ストック・オプションの行使価格が2000円、3000円台だったり、筆頭株主のINCJのロックアップが「90日or3倍」で解除というのを見ても、想定価格1,130円というのはお買い得価格で成長企業に投資できるというイメージを持たせてくれます。

最近ですと宇宙ベンチャー企業のIPOと似たような雰囲気があるIPOということになりそうで、一先ず公募人気はありそう。初値も一旦は期待して良いのではないでしょうか?3月下旬の権利付き最終日に入っているので、買いの量が多少は気になるところですが、後はこの日の周りに注目度の高い大型銘柄がなければというところかもしれません。

やはりこういう面白そうなIPOはSMBC日興証券主幹事が多いなぁというのが率直な感想です。参加できたら楽しみですね!

ダイナミックマッププラットフォーム(336A)のIPO新規上場情報

初値予想もお願い致します。

IPO初値予想、読者予想の結果と投票所