3月の下旬にはプロレス技のようなカタカナの長い社名のIPOが続くなと思ってましたが、もうプロレスそのままの単語に近くてカタカナで長い社名のIPOの登場です。それにしても抽象的な社名で何やってるのか良くわからないし、上場しても他の銘柄と混同しそうです。
「プログレス」「テクノロジーズ」「グループ」。全部、競走馬で言えば冠名とも言えるような単語かもしれません。
プログレス・テクノロジーズ グループ(339A)のIPO新規上場情報
大手製造業向けの特に上流工程のアウトソーシングに見えました。ソリューションやエンジニアサービスを得意としています。今よく聞く「デジタルツイン」なども取り扱っているようです。
想定価格は1,890円。主幹事は野村證券です。
吸収金額が想定価格ベースで82.7億円で、東証グロース上場のやや大きめのIPOです。
目論見書を見ていきましょう。
事業内容です。メーカーに「様々なソリューションやサービスを提供」と書かれていて社名のように抽象的ですね。製造業の上流工程は「設計」などが多く結局はロジックの頭脳力が物を言いますので、そこを外部から対応しますよという感じでしょうか?
「設計開発領域に特化」「日本の先端技術業界に特化」という2つの特化体制で事業を進めています。比較的、頭脳の高い人達でないと対応できない部分を、外部の会社からソリューションやサービスとして提供している感じですね。本来は大手企業なら自前で育てて活躍させるのが企業らしさがありますが、今は人材の流動性も高く頭脳集団も外部に流れていく傾向でしょうか?
事業形態は「ソリューション事業」「デジタルツイン事業」「エンジニアリング事業」の3つに区分しています。
まずはソリューション事業。
コンサル系の内容ですね。特に上流の設計開発の経験者が独自メソッドで「標準化・自動化」などを進めるようです。私は半導体畑で設計部門にいましたので、頭のいい人は明らかに従業員10人程度の作業効率を高めるような「標準化・自動化」をやってのけるのを知っています。逆に古い体質の上司は、自分で仕事を複雑化させて難問を解いて自慢しているという謎の人が多い傾向だったので、多分、プログレス・テクノロジーズ グループは前者のようなスペシャリストなんだろうなと感じます。
デジタルツイン事業はグループ会社でドライブシミュレータ技術を持っているようですね。自動車開発のサポートとして使われていそうです。
エンジニアリング事業は設計者不足に対応して支援する外注業のような従来からあるビジネスの延長線上に感じます。私は大手半導体メーカーの設計部門にいたので雰囲気を感じますが、大手製造業はどこも似たような状況になっているのだろうなと感じるところがありますね。
業績です。持株会社体制に移行してから5期ほどですが2005年設立のエンジニア派遣やコンサルをしているのが源流で20期レベルの会社です。業績は横ばいも良いところでグロース上場らしさは感じません。他のコンサル系会社と比較して程よい価格設定で上場という雰囲気が出ていますね。
既存株主はジャフコのVCが90%以上を保有して半数弱を売り出すというイグジット上場です。3月下旬の混み合った時期にイグジットIPOですので人気はないでしょう。しかし、野村證券主幹事で初値こそボチボチでしょうが、この手のIPOはジリジリと株価を上昇させている銘柄がいくつもあるので、そういう意味で気になるという人も多いかもしれません。
プログレス・テクノロジーズ グループ(339A)のIPO新規上場情報
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