3月IPOの新規承認ラッシュも終盤ですね。3月28日も同時上場という予定になりました。それでも今年の3月は同時上場が重なっても2社までというのは、多少分散されて程よいスケジュールと言えるかもしれません。
セクターは建設業ですが、技術力で勝負のテック系です。「SOSEI」と「CoolLaser」という2つのブランドで、建物の老朽化などテーマ性の高い社会問題に対応します。
想定価格は700円。主幹事はSMBC日興証券です。
吸収金額が想定価格ベースで29.7億円で、東証グロース上場の中規模IPOです。
目論見書を見ていきましょう。
まずは沿革から紐解いていきます。静岡県で塗装防水事業として事業を開始したのは1996年、そこからしばらく経って2006年に新工法「SOSEI」を独自開発、さらに錆取りのレーザークリーニング工法「CoolLaser」も2008年に着手、2023年に上市に至って、2つの工法を持つブランドとして収益化フェーズでの上場です。
資金調達をしているので上場で若干イグジットという部分もありますが、これから拡大が期待できるということで上場タイミングとしては良いと言えそうです。特に建物の老朽化問題は、先日から社会問題として大きくニュースを賑わせています。非常に引き合いの高い分野と感じます。
まずは1つ目の工法「SOSEI」を見ていきましょう。
老朽化した工場の倉庫の屋根などに対して、3層の特殊樹脂でペイントカバーする模様。工法の手軽さのメリットを含めて効果も様々なものが期待できます。老朽化対策をしながら、省エネ効果も得られるという優れモノですね。
そして新技術の「CoolLaser」です。
こちらは鉄橋などの鉄製のインフラの錆取り技術で大型のインフラに対応します。広大で数も多いことから市場規模の高さが謳われています。また、老朽化問題で対応すべき建造物が今後、大幅に増えますので需要は非常に高そうです。現在でもブラスト工法など錆取り工法がありますが、CoolLaserは旧来の工法よりも様々な点で改善されているのが特徴です。
制御のしやすさ、産廃物が出ない綺麗な工法。コンパクトでちょっとかっこよいスマートな方法として特徴を挙げています。
これらの技術を持って、インフラメンテナンス現場の「3K(キツい、汚い、危険)を3C(Cool、Clean、Creative)に」変えることで、この仕事に興味を持ってもらって活発化したいという思いもあるようです。
なんというかスプラトゥーンやってますのような楽しさやかっこよさがありますね。最初のロゴのペイントもスプラトゥーンみたいですし、こういう見せ方って大事だなと感じますね。
最後に業績です。2023年に錆取りの「CoolLaser」が上市ですので、それまでの売上の伸びはSOSEIに拠るものでしょうか?利益は研究開発で赤字が続いていましたが、ここから一気に売上も利益も加速しそうな雰囲気があります。上場後、長期間での成長も楽しみな銘柄と言えそうです。
また、事業が社会問題の解決に絡んでいますので、多くの方から活躍して欲しいと期待を持って買われそうな企業だなと率直に感じました。IPO視点では初値もそうですが、中長期でも伸びて欲しいと思います。
SMBC日興証券主幹事案件です。単価が低めで吸収規模大きいので、比較的幅広く当選者がでそうですね。
初値視点でいうと3月下旬の上場なので話題性で他社に取られると控えめになりやすいかも知れませんが、直近のストック・オプションの行使価格が700円ですので、想定価格の700円はまぁ買いやすいですね。
初値予想もお願い致します。