名証メイン市場にも新規承認がでてきました。これで7月IPOは5件目。例年8月は夏休み相場でIPOは少なくなるので、7月にしっかりIPOの予定が入るのは丁度よいですね。6月が少なかったことから、7月でもチャンスが有るのは嬉しいです。

山忠(391A)のIPO新規上場情報

本店のある愛知県を中心として不動産関連の開発・運営を手広く行っている山忠です。不動産業セクターのIPOは地合い(インフレ・景気)に左右されやすいですが、現在はどちらかというと追い風が吹いているでしょうか?

想定価格は2,600円。主幹事はアイザワ証券です。
吸収金額が想定価格ベースで4.94億円で、名証メイン市場上場の小型IPOです。

名証メインへの上場は2023年の成友興業以来になります。名証の市場再編後からこれで5件目です。初値戦績は厳し目でしょうか?

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どちらかというと初値よりも中長期のセカンダリーで伸びている銘柄が多く見受けられます

さて、山忠の目論見書を少し見ておきましょう。不動産関連事業で複数のセグメントに分かれて運営しています。

開発セグメントからはインベストメント事業、ソリューション事業など。ブランド名は「パルティール」として分譲マンションの運営など行っていますね。1Kタイプやファミリータイプなど場所によって作りを変えているみたいです。ちょっとブランドロゴが古臭さと怪しさを感じますが、この地域の方はどう感じているのでしょうか?

宅地分譲の開発も行っています。ブランド名は「リベルタ」。不動産開発業の一般的な感じですね。愛知県を中心に事業展開しています。これは不動産事業各社、どの地域でもありますね。

ストックセグメントからは管理事業、メンテナンス事業、賃貸(ストレージ)なども展開。これらも不動産活用としては多くの会社で運営している分野です。

貸し会議室やレンタルオフィスといったレンタル店舗運営もしています。全部で3店舗、名古屋市内で運営。数は少ないですが、こういう事業も時代に合わせて行っているところに好感が持てます。

最後にホテル事業。ビジネスホテルとして「ジャストイン」というブランドで運営しています。愛知県や三重県はこのビジネスホテル事業は激戦区に感じますね。ビジネスホテルの上場会社がこれまでにもいくつか愛知県や三重県あたりから誕生しています。

こうやって見ていくと、不動産開発事業に関連するものは大抵行っている状況でしょうか?不動産テックといった目新しいものはありませんが、不動産価格はこのところずっと上り調子ですので今は状況が良いでしょう。不動産バブルが再び弾けるような、超不景気が来ない限りは安心はできます。ただ、不動産は不景気が来ると一気に崩れる懸念は常に抱えているとも言えますね。

業績です。急成長ではないが堅調推移という言葉がぴったりですね。純資産の推移を見るとPBR1倍割れ、予想PERも5倍を下回る、不動産セクターらしい低PERでの上場です。普通に割安不動産株として評価できそうです。適正価格程度までは買えるとして判断されやすいでしょうか?

一方で名証メインへの上場は初値は奮わないことが多く、落ち着いたスタートから、いつか適正価格ぐらいまで上がるのを待って保有できるか?というIPOになりそうですね。7月末のIPOにこれといったものが出てこず、8月IPOも数が少ないとなると、意外とこの銘柄は初値から高い値で推移することも十分考えられます

山忠(391A)のIPO新規上場情報

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