10月IPO4件目の登場です。早くも9月IPOの数を上回りました。このペースで新規承認が出てくると嬉しいですね。またバラエティ豊かなラインナップの方が、IPOをチェックしている側としても楽しいです。
オフィスや学校などでの文具や事務機器などを製造販売しています。「LION」のロゴの入った事務用品、見たことがある人も多いかもしれません。少なくとも私は見覚えがあります。
想定価格は209円。主幹事はみずほ証券です。
吸収金額が想定価格ベースで10.2億円で、東証スタンダード上場の小規模IPOです。
それなりに身近なので知名度はありそうですが、IPOとしては東証スタンダード上場の卸売業ということで、どう見られるかですね。想定価格がかなり低いので、下側の振れ幅は少なそうとも見られそうではあります。
まずは会社概要から。創業時は「書道の筆や墨」からスタートしています(1792年・江戸時代)。その後、海外から文具などを輸入するなど変化があり、そこで「ライオン」が出てきますね。1937年に自社で文具製造を開始、戦後にオフィス総合メーカーとして成長します。文具メーカーは斜陽感もあるかもしれませんが、数少ない生き残って実力を感じるメーカーですね。
せっかくなので、目論見書の見出しにも書かれている商品を見ていきましょう。
文具・事務用品のヒット商品は、「はにさっく」、これはちょうど先日書店でもまだ見かけました。フラットファイルも「LION」ロゴで見かけますね。ドキュメントファイルにも強みがあるようです。ペーパーレスの時代なので需要は減っているでしょうが、必要な時ありますもんね。100円均一で似たような商品はあっても、高くてもしっかりしているメーカーものを買うほうが充実感はあるでしょう。
オフィス家具も展開しています。最近駅構内で見かける個室ブースなども作っているようです。洗練されたオフィスデスクとチェアは日本品質が好まれることもあります。ただ、私はオカムラの事務机を好んで使っていましたが、びっくりするような壊れ方をして直すのも高かったので、新興メーカーものでも十分と思うようになってきていますね・・・。
ICT機器への対応も頑張っています。タブレット充電収納保管庫など、トータルサポートをしている事業は今後も伸びそうです。とにかくトータルでしっかりサポートしてくれることは最近は非常に好まれる世の中で、学校や役所といった公共施設系では、特にライオン事務器は好かれそうです。大塚商会と資本提携しているのも大きいですね。
ロゴの印象や事業内容から古く地味そうに見えますが、ワンストップ対応と時代の変化にしっかり対応することが強みとして挙げられています。今後はこれまでの蓄積をAIなどで分析して、営業活動の効率化を図るみたいです。ハードもしっかりしているし、サポートのソフト部分も積んできたので、次は効率化などで他の似たようなメーカーとの勝負になるでしょう。真っ先に上場会社でライバルと感じるのはコクヨでしょうか?他にも複数の事務機器系の上場会社は思い当たります・・・。ライバルとの差を出すのは難しいところかもしれません。
業績です。売上利益ともにほぼ横ばいから微増レベルです。スタンダード上場らしい平行線タイプになります。上場して競争力をつけるのは良いことだと思いますが、IPOプライマリーに参加するかどうかは、まさにお買い得か?買いやすいか?で決定しそうですので、想定価格が非常に低単価になっているのは嬉しいところでしょう。
配当政策は配当性向40%、DOE3%目標です。年2回配当も予定しています。上場時の株価が安いと思うのなら、じっくりと持って株主優待新設などにも期待しても良いかもしれません。ただ、業種的には斜陽な部分もあるので手離れも良くしたいところ。特に似たような上場会社も多いので、うまく立ち回りたいですね。
初値予想もお願い致します。