新年になると、いつも作業しているのが「IPO観測企業」の更新です。毎年、年が変わるタイミングで経済専門誌やネットニュースで、IPO観測・展望記事が出ますのでそのタイミングで更新しています。
【IPO上場観測リスト】今後上場が予測される企業のリストと動向
2021年となると2022年の東証市場再編に向けてラストイヤーになります。どうも2020年は再編前にマザーズ上場して、1年後に昇格など目指して駆け込み上場もあったようですが、2021年はすでに市場再編が分かっていますので、それも踏まえた形になりそうです。
「2020年の東証市場再編」
現在ある「東証1部」「東証2部」「マザーズ」「ジャスダックスタンダード・グロース」から
- プライム市場
- スタンダード市場
- グロース市場
と3つに分けられます。狙いとしては頭でっかちだった東証1部をプライムにしてスリム化、逆ピラミッド型になっていた市場の銘柄数をピラミッド型にしたい思惑ですね。
2022年からはスタート市場として主に「グロース上場」、実績がある銘柄は「スタンダード上場」からプライムを目指すという形になりそうです。
上場基準等も載っています。プライムは時価総額1000億、売上利益、さらに流通株式比率も高く設定しています。スタンダード・グロースの順に向けてゆるくなっており、やはりIPOはグロース上場が多くなりそうですね。
これまでは「マザーズ上場神話」みたいなものがあったと思いますが、そういったものが崩れやすくなるかもしれません。それでも初値視点で見ればグロース上場基準銘柄が一番人気になる可能性が高いですね。
と、これは2022年の話ですが、逆に言えば2021年は「マザーズ上場」「ジャスダックスタンダード上場」のラストイヤーですね。2021年は東証市場再編時の市場区分も意識された評価になりやすいかもしれません。
なお、新規上場に関しては2020年11月以降に上場申請した会社は新市場基準での審査となっています。IPO公募参加者にとってはグロース市場の基準にある「事業計画の合理性と上場後における継続的な開示」という部分はいい意味で影響しそうです。
これまではマザーズ上場銘柄が上場後すぐにとんでも下方修正なんてIPOがあったと思いますが、基準が変わることでより厳格に主幹事などが審査するでしょう。2021年以降に登場するIPOは従来よりも少し安心感が出てくる銘柄が多いかもしれません。
2020年はコロナ禍で中止延期が多くなった年でしたが、もう一つ「キオクシアホールディングス」が上場延期となったことで吸収金額1000億を超すような大型上場がない年でした。最大規模が447億の雪国まいたけなど、ファンドのイグジット大型案件程度です。
2021年はそれを考えるとキオクシアの動向も気になりますが、やはりユニコーン企業の上場があるのか?というのも一つのテーマになりそうです。
【IPO上場観測リスト】今後上場が予測される企業のリストと動向
上場観測リストの中では「ビズリーチ」「スマートニュース」「TBM」あたりはそろそろ上場間近の状況かと思います。他にもスイングバイIPOで規模が大きい上場の可能性がある企業も多く、注目の一つが「大型上場」になるのではと思っています。
その大型上場でしっかり初値プラスになって、新興企業への投資意欲が落ちない流れをコロナ禍でも実現できれば良いなというのが展望であり願望になりそうな2021年IPOと感じます。