続々とIPOの新規承認が出ています。12月20日上場予定も同時上場になりましたね。ただし、過去は6社同時上場などもあった12月ですので、比較的分散傾向もみられるかもしれません。いずれにしても上場ラッシュは間違いないですね。
大きなサービスとして自動車産業DXの「定額カルモくん」があります。車のサブスクといった印象です。同じように業界に新サービスをDX手法で取り入れようとしていますが、現状うまく行きそうなものが見当たりません。
想定価格は1,615円(1,440円~1,790円)。主幹事はSBI証券とSMBC日興証券の共同主幹事です。
吸収金額が想定価格ベースで24.5億円で、東証グロース上場の中型IPOです。
まずは事業概要の紹介です。
「ホリゾンタルDX」という名前がありますが、ホリゾンタルは「水平の」という意味ですね。ホライゾンという英単語から連想できます。事業や産業を横断してDX支援策を考えるようです。とりあえず自動車産業DXとしてマイカーサブスクという手法を新しいサービスとして提供しています。
自家用車の定義が変わっていくサービスというのはここ最近あり、私もトヨタ車に乗っているので「KINTO」のサービスは知っていますが、ここが提供する「定額カルモくん」はしりませんでした。この手のサービス、結局割高で残念に思うことが多いです。車屋さんが車離れの世の中で、お金のない人にどうにか売ろうとしている苦肉の策にしか見えません。
サービス一覧を見るとアプリ情報メディアの「Appliv」もここが運営なのですね。たまにアプリを調べているとサイトに引っかかります。
個人的に目論見書のダイジェスト部分で疑問を感じたのが、この今後の成長可能性の部分の図です。ホリゾンタルという部分と伸びる可能性を示したかったのでしょうが、具体的に埋まっているのが自動車産業DXの定額カルモくんだけ、他は全部空欄は寂しいですね。その自動車サービスですら新しい手法のサービスとして話題はあるものの絶好調とは言えず、大きく世の中に広まっているとは思えません。上場前にもう少し空白を埋める状況であって欲しかったです。
業績は売上は急成長が見れるものの、連続赤字状態。そろそろ黒字が見えるということで上場が許されたレベルの状況ですが、出来れば黒字化まで待って上場したほうが印象は良かったかもしれません。そうさせない急ぐ事情もあるのでしょう。既存株主にはVCの名が連なりますのでプレッシャーのキツさも感じますね。
最後に第一印象でのスタンスですが、とりあえずはグロースっぽいIPOの登場も赤字状態は頂けません。今のIPO地合いを考えると12月の上場ラッシュで初値は怪しいところもありますね。事前評判的にはそれなりにプラス評価されているのに、直前になって手のひら返しを食らう可能性のあるIPOとして警戒したいところです。
この規模感でSBI証券とSMBC日興証券の共同主幹事。本心ではとりあえず初値はプラスになって欲しいところで、IPOファン的には参加姿勢だけど損失覚悟で、IPO全体を通して楽しめて儲かっている状態だったらいいかぐらいのレベルです。
SBI証券は今年は主幹事としてIPOの数が非常に多く鍵となる証券会社となっています。
SMBC日興証券も良いのと悪いの出てきますが、今回はちょっと微妙としか言えないですね。でもこちらも2023年全体を通してお世話になっています。1つ2つの公募割れ銘柄食らったところで気にしないぐらいの姿勢は必要かもしれません。
初値予想もお願い致します。