2023年9月に上場予定で中止になったバイオ案件の再登場です。前回は野村證券主幹事でしたが、今回はSBI証券となりました。前回もSBI証券が副幹事的立場だったので、バトンタッチされたようにみえます。そういう意味では問題児扱いかもしれません。バイオは難しいですね。

Chordia Therapeutics(190A)のIPO新規上場情報

「RNA制御ストレスを標的とするがん治療薬の開発等」という事業内容になっていて、昨年時もなんとなく言っていることは読めば分かるけど、本当は分かってないだろ的な業種内容です。一般的には「画期的ながん治療法の開発」ぐらいで見ておきたいですね。

想定価格は153円。主幹事はSBI証券です。
吸収金額が想定価格ベースで16億円で、東証グロース上場の中型IPOです。

とにかく低単価が特徴のIPOですので、野村證券ではなくてSBI証券だとネットでの配分がどうなるでしょうか?なんとなく500株や1000株単位で抽選してきそうな気がしています。SBI証券に配分が多くて、個人に複数株が一気に出回ると初値ですぐ売る勢が増えそうなので、その点で初値はどうなるか見ものです。

Chordia Therapeutics(4895)のIPO新規上場情報(2023年上場予定時)

2023年の上場予定からは少し吸収規模は下げていますが、想定価格は150円→153円と3円アップ。もともと株価はあってないようなもので、とりあえずは開発に必要な上場による資金集めです。バイオ案件ですので、基本はギャンブル的。しかもかなり長期目線で考える分野と思われます。1単位ぐらい記念に持つ人などいるかも知れません。

ひとまず目論見書で事業内容を見ていきましょう。

まず会社のビジョンですが、期日的なものが書かれていますが2030年に研究開発型製薬会社として成長するビジョンを持っています。今から6年後、他のバイオベンチャーとは少し違った成長を考えているようですね。「First in Class」という言葉がたくさん出てきますが、「画期的医薬品で、同じカテゴリーの医薬品で最初に認可される新薬的なもの」らしいです。ピカ新とか言うようですね。

ここは抗がん薬カテゴリーで画期的な新薬を作り出すというミッションで取り組んでいます。

具体的には「RNA制御ストレス」をホールマーク(がん細胞として認識する特徴)としてがん細胞を破壊するような新薬を最初に市販しようとしています。

パイプラインの概要です。ほとんどの開発のライセンスを自社で保有しています。ただし筆頭株主に武田薬品というようにTakeda由来のプログラムが複数を占めているようですね。株主構成は武田薬品以外は、ほとんどがVCの投資で溢れています。それだけがん治療の新薬開発として期待度は高いということなのでしょう。上記マイルストンを見る限りでは1相まで進んでいるものが多いですが、これから2相/3相とまだまだ先があります。

最後に業績です。2021年と2023年のライセンス収入以外は、まったく売上がないというのは逆に潔いですね。これは小野薬品とのライセンス契約で目論見書にも書いていますが順調にいけば最大496億円のマイルストン収入を予定しているようです。

このページを見ている人は結局、初値がプラスになるのか?が知りたい人が多いと思いますが、この手のバイオIPOはその時の地合いに大きく左右されるというのが定番です。残念ながら今のところバイオブームはあまりないと思うのですが、最近だとアルツハイマー病や肥満系の新薬も出てきて話題にはなっています。「がん」は新薬を必要とする大きなテーマとして何年も続いている気がします。私の身の回りでも「がん」で苦しんでいる人や、亡くなっている例が複数ありますので、事業自体の魅力は感じますが、IPO投資はそれとこれは別と言う事で見ないといけないので、大手予想会社のレポートなども横目にしっかりBBスタンスを考えたいですね。

主幹事SBI証券では複数セット配分になって上場時の売り圧強そうな懸念点がありそうというのが、新規承認時に感じたことです。

Chordia Therapeutics(190A)のIPO新規上場情報

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