12月のIPO新規承認が出てきました。12月は比較的IPOが多いシーズンです。中旬・下旬にかけて今年は何件出てくるでしょうか?一発目は半導体装置部品の卸売業、大分県本店、英文字三文字企業、往年のIPOを見てきたものとしては、少し引っかかる部分がありますが、見ていきましょう。

TMH(280A)のIPO新規上場情報

半導体製造装置の部品の卸売業です。修理サービスなど含めてトータルソリューション、越境ECで部品管理するなどして、この分野の利便性を図っています。私は半導体畑で働いていた経験がありますので、「代理店」ビジネスなど昔多く存在していた非効率な部分と、なければ困る仕組み的なものは感じるところがあり、そこに目をつけた会社になります。

想定価格は1,500円。主幹事はSBI証券です。
吸収金額が想定価格ベースで10.4億円で、東証グロース上場の中型IPOです。

まずですが、半導体系で英文字三文字となると私は「FOI(エフオーアイ)」を思い出します。2009年11月に上場している銘柄(公募割れ)で、上場後に粉飾決算が発覚。社長などは捕まり、会社は今はありません。実は私はこの銘柄を公募で持って売れずにいて最後まで付き合いました。裁判するからサインくれ的なものも届いてましたね。

また当時、近くに住んでいたので上場前に会社を見に行ってました。懐かしい思い出になりますが、その思い出があることから「半導体関連」「英文字三文字」のIPOはそれだけで怖い印象があります(JDIも影響していますが)。

と前置きはいいとして、いつも通り目論見書を見ていきましょう。

事業内容です。越境ECプラットフォームを提供しています。半導体製造装置という少しニッチ感があるところですが、サプライヤーが世界中に点々としており、それをEC上でプラットフォーム運営。超強力な卸代理店ビジネスしている感じですね。

もう一つは装置販売サービスです。元半導体技術者が専門的な知識で導入することで、スムーズに装置の入れ替えなどが出来るというビジネスですね。

ホームページの役員紹介ページです。他社とは一風異なった写真を取ってますね。

具体的な仕組みですが、LAYLAというサプライヤーネットワークを構築して在庫管理などを徹底しています。サプライヤー的にも個別に半導体メーカーなどと対応するよりも一つの強力なネットワークを通したほうが良いという感じでしょうか?

業績です。13期に売上高が急激に伸びています。九州の企業ですし、TSMCが熊本に工場を建てるなど、日本の各地で半導体工場などの建設が進んでいるので、この会社もバブル状態なのかもしれません。しっかり特需を汲み取って上場レベル出来るになったのかもしれませんが、正直、事業自体は卸売業で、景況感に左右されると思うので、IPO対応としてはうまく美味しい部分を頂けるよう行動したいところですね。

大分県本店で住所があるので事業所をGoogleマップで確認しておいたほうが良いと思い確認しました。ここが上場企業と言われると?ホントか?という感じになりそうですが、これも九州半導体バブルの仕業と後々言われることになるかもしれません。

規模感もそれほど大きくないし、とりあえず特需と言っても大きく成長しています。小型・グロースで勢いのある会社の公募株に参加できれば、少しおこぼれ的な利益が貰えるかもぐらいな感覚でみたいですね。

主幹事SBI証券と個人投資家に仕掛けられやすく、12月上旬に入ったことで他のIPOに埋もれることもなさそうなのはスケジュール面で推せます

12月のスタートIPOでうまくアドバンテージが取れるIPOとして活躍するでしょうか?

TMH(280A)のIPO新規上場情報

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