3月最終日の上場銘柄も登場です。オーラスは注目度が上がりますので期待したいですね。カナカナ4文字で「ジグザグ」とはまたIPOとしては盛り上がりそうな社名です。
越境ECサポートで、国内事業者向けの支援・海外カスタマー向けの支援の両輪となっています。タグ1つで壁を破るという手軽さが売りですね。
想定価格は1,490円。主幹事は大和証券です。
吸収金額が想定価格ベースで12.9億円で、東証グロース上場の小型IPOです。
目論見書を見ていきましょう。
まずは事業コンセプトです。越境ECにおいていくつかの壁や問題点がありますが、それを非常に簡単な作業で取り除くサービスを提供しています。国内のEC事業者にも海外カスタマーにも技術やサポートでスムーズに取引ができるようにしているのが特徴です。
具体的なソリューション方法です。2つのサービスジグザグ「WorldShopping」と「WorldShoppingBIZ」があり、片方は海外のカスタマー向けで購入代行ソリューションとなっています。海外の客が簡単に日本のECサイトから商品を購入できるように仕組みができています。国内のECショップ向けにはジャバスクリプトのタグを1行追加するだけで海外対応に早変わりというサービスです。どちらも顧客からすると非常に簡単に越境ECをクリアできる形になっていますね。
具体的なサービスの画面イメージです。海外事業者から商品を買っている壁を感じさせない動きですね。基本は代行手数料みたいなものが掛かってしまうでしょうが、それを気にせずに取引できる気軽さを感じます。現在は基本的にはファッション系のECサイトがメインのようです。
非常に便利なサービスですが、真似されないように特許でサービスを保護しています。13件の権利化済み特許があるのはこの分野では珍しい量かもしれません。
目論見書では越境ECに対する期待に関しても書かれています。日本の問題として人口減少による内需縮小がありますが、越境ECの盛り上がりが解決方法の1つでしょう。国内産業で厳しいところも外需をECで取り入れられるなら、社会構造的な問題も打破できます。
また国内事業者に対してサービスを導入してもらうことで、海外での成長戦略の支援も可能です。国内には海外に売れる質の高い商品がまだまだ埋もれていそうで、こういうのは助かる事業者が多いかもしれません。
越境ECはこれまでも伸びている分野ですが、今後10年でさらに10倍成長というマーケット予測があります。現在はジグザグのサービスは日本から海外への輸出領域ですが、グローバルtoグローバルへの展開も考えていることから、それが実現すればかなり大きな市場規模になりそうですね。海外でもこういったサービスを展開している事業者はいると思うので、そことの競合は厳しいことも多いでしょうが挑戦する価値はありますね。
最後に業績です。売上は急成長。利益に関してはやや不安定さが見られますが、ここからは売上に比例して急成長となりそうな感じですね。上場タイミングとしては特に問題は感じられません。
IPO初値視点では筆頭株主がVCで、売出後のロックアップも解除要件に1.5倍があることで追加売りの不安材料などもあります。そのため、やや壁も見える状況ですが、吸収金額も大きくなく業績を伸ばしている情報通信業ということで期待できそうです。
初値予想もお願い致します。