10月IPO7件目の新規承認です。同日上場なくハイペースで出てきており連続して楽しめる10月になりそうですね。数が多いのにしっかり分散しているのはありがたいことです。

サイバーソリューションズ(436A)のIPO新規上場情報

メールやチャットなどのビジネスコミュニケーションサービスを包括的に提供、さらにそれに付随してセキュリティ対策も行っています。GAFAなどが得意なところですが、サービスは被るけど、質は被らないような戦略が特徴です。

想定価格は1,380円。主幹事は大和証券です。
吸収金額が想定価格ベースで42.4億円で、東証グロース上場の中規模IPOです。

目論見書を見ていきましょう。

まずは事業内容です。単一セグメントとなっていますが、サービスの特徴から「コミュニケーションソリューション事業」と「セキュリティソリューション事業」の2つに区分しています。売上高は約半々です。

具体的なコミュニケーションソリューションの製品群などです。メールサービス、チャットサービス、ストレージ、掲示板的なグループウェアとビジネスにコミュニケーションで必要なシステムを揃えています。1アカウントごとの課金制です。SaaSと言えばよいでしょうか?

セキュリティソリューションの製品群は、コミュニケーションソリューションで用意しているサービスに付随してセキュリティ強化に特化しています。ビジネスをする上で安心して使えるシステムを同時に導入できる仕組みです。各社のコンプライアンスに適用なんて細かさが特徴でしょうか?

これらのシステムを統合したパッケージとして販売しています。SECURE COMMUNICATION ONEという名称です。Googleではビジネスアカウントの課金、Microsoftでも複数のサービスの統合したものをパッケージ化してサービス提供しています。私もMicrosoftのビジネスアカウント使っていますので、サービスのイメージは付きやすいです。

面白いのが、そのMicrosoftなどのサービスに対抗したビジネス戦略を行っています。世界的大手企業が出来ないことをやる。日本独自の企業文化で使いたいサービスを低価格で提供することで、大手世界企業から法人アカウントを確保する戦略ですね。私もビジネスアカウントでGoogleメールからZOHOメールに移行した(必要のない課金を避けるため)経験があり、多くの日本企業にメリットのある部分がありそうです。

SaaSですのでストック収益が多くチャーンレートが大切ですが、ネガティブチャーンの実現という個人的には初めて見る文言が登場です。具体的には解約率(チャーンレート)は0.2%程度だけど、既存の月次売上推移はクロスセルなどでマイナス状態というのを謳っています。既存追加という概念を加えるとネガティブチャーンという結果もああり得るんですね。

最後に業績です。売上・利益に関しては微増推移が期待できるサービスと言えるでしょう。現状では妥当な価格設定でIPOということになりそうで、とりあえず初値は期待できるでしょうか?サービス内容自体はそれほど新規性はないもののビジネス戦略は面白いです。特にセキュリティ対策は、かなり急務な割には浸透が遅い情報社会の実情がありますので、シンプルにビジネスで必要なサービスも統合して提供できるここは、まだまだスケールの余地がありそうです。

このところ売出し比率が多く吸収金額が中規模以上で上場するIPOが増えており、ここも上場時にやや放出規模が大きめです。このことから初値高騰は減ってきていますが、コツコツと初値上昇が見込めるIPOをしっかり射止めることが大切な状況になっています。B級レベル(とりあえず初値は上昇しそう)のIPOをしっかり手に入れていきたいですね。

サイバーソリューションズ(436A)のIPO新規上場情報

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