家賃債務保証事業最大手。規模が大きくプライム上場。元日本セーフティー。私も昔、賃貸契約を結ぶ時にここが絡んできた。今では賃貸契約は殆どが連帯保証人がいても家賃保証会社を契約しないといけなさそう。アコギな商売。
家賃保証サービス。単身で賃貸契約をする人が増えてきた頃から「家族などの連帯保証人→家賃保証会社」の流れになった。事業自体は食いっぱぐれがなさそうな雰囲気で、安定的に業績は推移しそう。
想定価格は1,585円(1,440円~1,730円)。主幹事はSMBC日興証券と大和証券の共同主幹事です。
吸収金額が想定価格ベースで431億円で、東証プライム上場の大型IPOです。
目論見書を見ておきましょう。
まずは事業内容です。会社名がNSグループとなっていますが、家賃保証会社としては日本セーフティーがそのまま残っているようですね。賃貸契約などをする時に「保証会社通して」と契約時にお願いされますが、一番可能性が高いのが日本セーフティーと言えるでしょう。
沿革も載っていました。事業開始が1997年頃からですが、2006年には1万店以上が取扱しており大きく伸びています。2019年には5万店舗を突破、上場ありきで2021年12月にベインキャピタル(ファンド)が資本参加、4年でイグジット上場ということになります。ファンドが入って何か構造改革する必要も感じない事業なので、これは単純にファンドが儲かる構造に見えますね。
ビジネスモデルの強みとしては「業界最高水準の審査通過率」が挙げられています。それゆえ、不動産会社もビジネスが進めやすく日本セーフティーを使っておきたいとなるのでしょう。信用リスクが低い場合は、本当はこんな家賃保証会社要らないのですが、不動産会社がビジネスがやりやすいというに家賃保証会社が必須レベルになっている世の中、日本セーフティーは「信用リスク高から低まで」、全体から収益を取れるのは強みですね。
回収業務にも書かれています。「適材の人材・チームで回収」にあたるようです。ここの取り立て具合の程度は分かりませんが、高い回収率とだけ書いてますね。取り立て業務の実態は様々でしょう。昔、取り立て現場で、本当に賃貸ビルを複数人が張り込んでいて、住人が2階のベランダから逃げようとしてあえなく捕まっている修羅場など見たことあります(家賃滞納していて、住人が悪いという説明を受けていました)。
普通はここまで行かないと思うのですが、若気の至り的な若い人が住んでいると、行動が常識はずれなことも多いので回収業務も大変だなぁと思いました。
市場環境です。ここ数年、底堅い成長というのは感じるところですね。家の単位が小さくなった頃(核家族)からこの業種は伸び続けています。最近は外国人の出稼ぎ世帯も急速に増えており、相変わらず緩やかに堅調という環境でしょうか?
売出しイグジットIPOということで目論見書の見出し部分で高い配当性向を掲げています。50%以上は魅力と言える部分で、初値視点ではなく長く安定配当を貰うことができる銘柄が上場するイメージのほうが良さそうです。
業績推移はまさに安定的という言葉がぴったりでしょうか?成長率は低いので、やはり株価上昇よりも長く持つことでインカムゲインを得ることを目的として保有したい銘柄ですね。いつものプライマリー戦略は活きにくい銘柄と言えるでしょう。
プライム上場ということで下手な船出にはなりにくそうですが、想定仮条件が1,440円~1,730円とかなり幅を持っていて、実際の仮条件が出てきたところが、ほぼ初値付近という結果になりそうです。家賃保証と言えば2023年に上場した全保連が記憶に新しく公募割れから、現在は株価自体は上場時よりも高い位置で推移しています。
こちらも上場後、とりあえず公開価格よりは高い位置になる時はあるだろうぐらいの軽い気持ちで見ておきたいですね。
初値予想もお願い致します。








