ようやく3月IPOの新規承認2件目となりましたが、なかなかなきな臭いバイオIPOとなりました。噂では10件ほど予定だった3月IPOの承認が価格面で釣り合わず延期が続いているようですね。それで残ったのが、こういう値が付けば何でも良い銘柄という雰囲気で嫌ですね。

ジェイファーマ(520A)のIPO新規上場情報

SLCトランスポーターをターゲットとした医薬品開発」となっています。杏林大学名誉教授の遠藤仁がこの分野での第一人者で、今までにないアプローチでの治療薬開発です。

想定価格は920円(想定仮条件840円~1,000円)。主幹事はSBI証券です。
吸収金額が想定価格ベースで34.2億円で、東証グロース上場の中規模IPOです。

目論見書は文字が多いものの見出し部分を読むだけでも、仕組みがわかりますので読むと面白いです。後、私もバイオ関係は知識が薄いですが、こういう細胞系の基本を知るのに「はたらく細胞」を結構おすすめします。なんとなくバイオ関係がそれぞれ何をしようとしているのか分かりやすくなります。

まず目論見書にもホームページにも上記図が出てきます。見る人によって気持ち悪いと感じる人もいそうだし、美しいと感じる人もいそうです。SLCトランスポーターという細胞への運び屋さんを標的にするというのが新しいところです。既出の遠藤氏は新規のトランスポーターを複数発見しており権威者でもあります。

上記部分にはSLCトランスポーターの役割を活用して、新しい治療可能性を開発していますよと書いています。

可能性の具体例の1つ目です。がん進行を抑えるアプローチです。がん細胞は多量の栄養を必要としますが、運び屋さんの動きを抑制すればがん細胞の増殖を抑えられる。さらに周りの免疫細胞に正常に栄養を送れるなどを考えられています。

2つ目は自己免疫疾患に関してです。免疫細胞が過剰に活性化して、自身の正常な組織を攻撃することへもトランスポーターに作用して過剰活性化を抑えるなどを研究開発しています。仕組みはがん細胞への運び屋の抑制と同じではあるものの、このように別の疾患へのアプローチも可能になりそうです。

パイプラインの状況です。上記した2つの開発は進んではいるものの、正直まだまだと言ったところでしょうか?長期ビジョンとして2030年にグローバルな臨床開発ですので、残念ながら上市は相当先でしょうし、それまでに色々ありすぎて、今上場する時に出資する意味は?ぐらいの感じですね。既にVCなどでジャブジャブですが、さらなる資金調達が求められるのと、製薬会社のライセンス契約も今後の重要企業活動項目です。

ライフサイクル戦略です。まずは今走っているパイプラインによる継続的な研究開発を進めて、同じような方法で他の疾患へも繋げていきたいという希望観測です。いかにもバイオらしい夢物語です。

業績推移です。売上0が続いています。20期を迎えて赤字拡大で資金を集めては食いつぶしている状況です。一発当たればどんでん返しのバイオギャンブルらしい状況となっています。しかし、その一発あたる見通しもまだまだ先ですので、上場するのは構わないですが、上場時に参入する意味はかなり乏しいと言えそうです。

IPO初値視点で見るとベンチャーキャピタルからの出資ジャブジャブ銘柄で、1円ストック・オプションが上場前に乱発しているなど、非常に苦しい段階での上場に見えます。この銘柄に想定仮条件でギャンブルできますか?と問われると、今のIPO地合いはそんな環境にはなっておらず、そうとう苦戦しそうなイメージです。

主幹事SBI証券というのも、こういうバイオギャンブル銘柄に限っては今回はマイナス面ですね。初値や市場の評価は気にしない(市場に任せる)タイプです。とにかく上場して下値を探って、そこからバイオギャンブルに賭ける方が面白そうとは思いました。上場時段階ではギャンブルにもならないという第一印象です。

ジェイファーマ(520A)のIPO新規上場情報

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