今年も12月のIPOシーズンが近づいています。すでに1銘柄が上場しましたが、今年は18銘柄が予定となり、現在のところ1銘柄が上場延期です。最大でも12月17日に3社同時上場がある程度で、例年なら4~6銘柄の同時上場も見られたので、今年の被りは落ち着いたでしょうか?

IPO初値予想、読者予想の結果と投票所

すでにBB期間が始まって終わっているものがありますが、このシーズンは数が多いので仮条件発表後にBBスタンスを更新していますが、ブログなどに銘柄ごとにBBスタンスに至った考えを書く時間がなくXにポストするだけの銘柄も多いです。週末ということでまとめて少し見解を書きたいと思います。

やはり気になる存在はキオクシアHD

今年の12月IPOラッシュのなかで再注目銘柄は最大銘柄でもあるキオクシアでしょう。

キオクシアホールディングス(285A)のIPO新規上場情報

4年前に上場予定で延期した時から時価総額が約3分の1まで評価を下げた状態で上場と結局なりました。仮条件は引き合いを見て少しでも高く売りたいというのを強く感じます。私は結局、この手の銘柄にしては珍しくD級評価で公募割れとして予想しました。腐っても注目銘柄・プライム銘柄はなんとかすることが多いので、C級評価でお茶を濁すほうが良かったのかも知れませんが、個人ブログとして予想している強みとして、やはり厳しく見えるものは厳しいと自分なりに評価する姿勢を貫きました。

昨年度から制度としてある「公開価格が仮条件の上下20%超えOK」というのも適用しており、この制度は個人的にはなくなって欲しいと感じるレベルです。条件提示で幅があるのに、決定時にずらすことが出来るって良く考えたら意味不明だと思います。ブックビル時に上限の指値で申し込めば良いとも言えますが、ネットの抽選申込だと機械的にそれが出来ない証券会社もありますね。

12月に上場した大型IPOといえばソフトバンクを思い出します。あちらは吸収金額2.6兆円規模なのでレベルが違いますが、少なくともC(5)評価でプラス確率の方が高いと思っていましたが公募割れでした。どうも12月に大型IPOを持ってくるのは分が悪いと思っています。そしてキオクシアHDは先行きに関しては結構ギャンブルです。反転成長の可能性もありますが、日の丸半導体関連は長年体質的に苦しんでいるので、敢えてここで勝負とはなりにくいですね。

ここは私が昔、半導体関連の大手で働いていた経験があるので業界の雰囲気を良く思っていない私感も入っています。

C級銘柄が公募割れを起こすIPO地合い

もう一つは、ここ最近のIPO地合いが気になりますね。年後半に入る頃からIPO地合いは元気がなく、特に微妙レベルのC級評価銘柄は公募割れも多いです。6月以降すでに15銘柄が公募割れとなっています。IPOの初値結果としては戦績が悪いですね。当然12月IPOでもC級評価銘柄は怪しいです。

すでに複数の銘柄で最終C級評価となっている状況で、残念ながら公募割れ銘柄はでてくるでしょう。

ただし、ここ最近のIPOで気になっている点は初値だけでなく2~3日の視点で見ると公募割れでも見込みがある銘柄はすぐに回復することが多いです。逆に公募割れして人気のないことを露呈したらもっと下がる銘柄も多いので、そのどちらかの判断を下すのが難しいかも知れません。

しかし、個人的にはC級の微妙銘柄でも「何か買える見どころが含まれている」銘柄であれば、すぐに株価は戻ってくる可能性が高いと見ています。そういう銘柄はセカンダリーで見直し買い相場に狙いたい事が多いですね。

現時点で、見どころを感じるけど微妙のC級にしているのは「黒田グループ(高配当)」「dely(話題性と事業力)」「アルピコホールディングス(長野県)」あたりですね。これは私の目線でそう感じているだけですので、参加する皆さんの知識で「見どころ」があるものをしっかり選別しておくと12月の数の多いIPOにも対応できるのではないかと思います。

ここ最近はC級でも適当に申し込んで、適当に公募割れとプラスを経験して初値で売ってたら総合して儲かってたとはなりにくい相場なので、厳しめに取捨選別したいところです。

意外と使えるカレンダー表記のページ

12月IPOを俯瞰的に見る時に使えると思っているのがカレンダー表記でIPOを一覧に載せているページです。

【IPOカレンダー・一覧表】騰落率、損益、その後の値動きなどチェックに

すぐに年を切り替えて毎年の月別のIPO結果などをサラッと見ることが出来ます。例年の結果をみるとやはりC級銘柄は公募割れが殆どですので初値は期待しないほうが良いですね。一方でリストには表れない部分でC級公募割れでも売るタイミングがある銘柄とない銘柄があります。

上場ラッシュ中はどうしても資金分散で初値は不利です。中途半端な魅力では初値から買いが入りにくいシーズンです。

それぞれ対応しないといけない課題は違うかも知れませんが、うまく立ち回れるように情報は一通り目を通して、ご自身で戦略を考えておかないとあっという間に過ぎ去ってしまう印象がありますね。


私は含めIPOブロガー、さらに大手予想系ですらIPOに関しては好意的な目線で見ているのは間違いないところですので、少し甘めに期待している内容を書くことが多いと思います。大手メディアに関しては特にキオクシアのような話題株は戦前の予想は強めに書く、批判的で厳しいライターさんは裏の部分を鋭く書くという情報が氾濫するのが今の時代でしょう。

私達は過去数年の立ち回りでなるべく成功していると感じる方法でしっかりと動くこと、さらにご自身でエッジがあると感じる部分を突き止めれれば他者とは抜け出した取引ができるかも知れません。うまく動いて「良い年」を向かえたいですね。

IPO初値予想、読者予想の結果と投票所

なお、読者予想をショートコメントでも良いので自分なりに一つの価格で続けるのはかなり良い経験になると思います。アマギフが当たるチャンスもありますので、是非ご参加ください。最後になりますが申込忘れにも注意の時期なので気をつけましょう。