本日は2社の銘柄が初値がつきました。全体を通して書くとすれば「IPO低調」というのが再認識された2社の上場結果だったと思います。ここから12月のIPOはそれほど期待度の高い銘柄がありませんので、微妙銘柄は怪しいし、少し評価の高い銘柄でも過大評価がしづらい状況です。こういう時期もあると冷静に立ち回っていきましょう。IPO自体が全然ないショック時期よりはマシですが、このままだと1件ぐらい中止があってもおかしくないですね。

まずはアウトルックコンサルティング(5596)から。

初値売りで約1.44万円のマイナスです。公募当選者の方、残念でした。

⇒アウトルックコンサルティング(5596)のIPO新規上場情報

【アウトルックコンサルティング(5596)】（公募価格1,800円）

初値：1,656円（公募比: -144円/-8.0%）
高値：1,666円
安値：1,341円
終値：1,395円
出来高：1,190,000株（公募売出総計：1,862,800株）

初値1,656円は引受価格での公募割れです。やはり不人気が露呈してしまい、ここを上場初日から買うという気配がなかったようです。引受価格でなんとか初値をつけたものの更に急落しており、初日の下げ幅は250円近くとなっており、公募から150円下げて、さらに250円、合計で400円近く一日で下げてスタートしているという状況です。ファンドのイグジットIPOは本当に許されない状況が続いており、似たようなIPOには今後も注意です。

出来高は公募売出総計を1回転もしていません。これだけ出来高も薄く下げていることを考えると、持ち続けている人も多そうで苦虫を噛み潰すような人も多そうです。当方は最終C評価ですが、内容的にはDレベルのCと評して来ましたので、当方のサイトを見ている人は助かっていることでしょう。

主幹事はＳＭＢＣ日興証券でした。ＳＭＢＣ日興証券は極端なところがあって話題性で伸びる良い銘柄もあれば、今回のような不人気イグジットも混在しています。不人気を買い支える力には弱いところがある気がしますね。

下げすぎていることから一旦は少し反発するかもしれませんが、本格的な反発は厳しそうな銘柄なので静観しておきたいと思います。

こちらはピタリ賞がでました。4名様が的中です。

引受価格で決まったことでピタリ賞は出やすかったですね。読者予想的には公募割れ予想も多かったですが、微増の可能性もというレベルで多少の楽観視もありました。いわゆる微妙銘柄ですが、微妙銘柄は今の地合いでは結果が出ませんね。

次にブルーイノベーション(5597)。

初値売りで約4.3万円のプラスです。公募当選者の方、おめでとうございます。

⇒ブルーイノベーション(5597)のIPO新規上場情報

【ブルーイノベーション(5597)】（公募価格1,584円）

初値：2,023円（公募比: +439円/+27.7%）
高値：2,200円
安値：1,852円
終値：1,899円
出来高：5,400,400株（公募売出総計：746,200株）

こちらは初値プラスになったものの予想ほど盛り上がりませんでした。ブルーイノベーションはIPO新ルールで初めて公開価格が仮条件上限超えという決定がされて人気の高まりを表現していましたが、初値結果がこれだとやはり新ルールは初値高騰を阻害するようなルールだらけに見えますね。だいたい先に条件を決めておいて、それを逸脱する結果が可能という制度はどうも気持ちが悪いです。それなら、仮条件を最初から広くしておいて上限決定しなかったの方がスッキリします。

と、批評は置いといて、初値はギリギリ2,000円超えの2,023円でした。朝の気配からすると1,800～1,900円ぐらいの2,000円より下で初値が付く可能性もありましたが直前になって吊り上げがありましたね。そんなに強い結果にならなかったことでセカンダリーもどっち付かずの微妙な展開となりました。こういった面白い業種のIPOにしては上下ともに200円程度の値幅で収まりましたが、結局元気なく下げて初日は終えています。

出来高は公募売出総計を7～8回転程度と大商いにはなったものの方向感のない動きです。明日以降も次の上場までは注目されるので、どちらかに方向性が出るでしょうかね？終値1,900円とみると公開価格1,600円程度なので、殆ど微増レベルの結果なんですね。これだと上場ラッシュ中の強弱の強とは言えないレベルなので、この後の12月IPOラインナップをみると何に期待すればいいのやらになります。

こちらはピタリ賞がでませんでした。

読者予想の平均的には2,200円あたりです。ストック・オプションの行使価格に2,200円があることで上場したことでこの程度の評価はあっても良いのではと思うところはあります。そうしないとストック・オプションがミスプライスで、ベンチャー企業への投資が萎みそうで懸念します。最近のダウンラウンド上場も公募株は安くていいけど、あまりいいイメージはありません。

以上、2社の初値レポートです。

残念ながらIPOの地合いの悪さを再確認したような今日の結果でした。IPOは日替わりで風向きが変わるぐらい移ろいやすい部分もありますので、この後12月IPOで何か良いきっかけがあれば良いのですが、現時点でラインナップ見ると風向き変えそうなIPOが見当たらないのが残念です。これはもう地合いの復活を期待するには、年が変わるしかないのかもしれません。

⇒【IPO初値結果一覧表】上昇率、損益、その後の値動きなどチェックに

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