本日は3社の銘柄が初値がつきました。初値こそ1勝2敗という結果でしたが、パワーエックスはストップ高になるなど、いずれの銘柄も初日のうちに公開価格を超えています。初値売り戦略だけでみると結果が悪いことになりますが、徐々に初値だけに注目すべきではないという状況になっているのがIPO戦線です。初日で全銘柄が公開価格を超えたのは良かったと言えるでしょう。
初日の動きを見ていきましょう。
まずはパワーエックス(485A)から。
初値売りで約9,000円のマイナスです。公募当選者の方、残念でした。
【パワーエックス(485A)】(公募価格1,150円)
初値:1,130円 (公募比: -90円/-7.4%)
高値:1,430円
安値:1,060円
終値:1,430円
出来高:10,956,900株(公募売出総計:8,388,300株)
激しい動きとなったパワーエックス。初値は1,130円で公募割れでした。引受価格1,128円よりは少し上で付いていますが、ほぼ引受価格です。その後、安値では1,060円まで下げたものの前場のうちに一気に買われてストップ高となりました。そのまま1,430円で終値を迎えています。結局、初日のうちに初値予想に近いところまで力を見せたと言えますね。
当方は初値からこの辺りまで行く可能性の方に期待していたので思惑が外れましたが、この状況ならと思って初値売りはせずに、初値買いしています。という事で、こういうちょっと予想と違う例外的な動きはありがたいですね。
この結果や、少し前のSBI新生銀行が翌日以降にさらに上昇するなどを考えても、今やIPOは初値視点だけでは成り立たない部分もあります。最低でも上場後2~3日ぐらいはアクションできるような対策をして参加していくほうがよい環境になっていると言えそうです。成行買い規制など環境の変化があるわけですから、対応も変えていきたいところです。
ストップ高という目立つ初日となったことで来週以降の動きも楽しみになりそうです。
こちらはニアピン賞がでました。引受価格の1,128円がニアピンになっています。
読者予想は中央値が1,280円で補正値が1,460円と割れる結果とデータで出ています。こういう銘柄は初値もブレやすいですし、その後の動きもどちらにもブレやすいです。どこまで付き合うか波乗り技術が非常に重要となりそうな銘柄ですね。
次にギミック(475A)。
初値売りで約6,000円のマイナスです。公募当選者の方、残念でした。
【ギミック(475A)】(公募価格1,150円)
初値:1,090円 (公募比: -60円/-5.2%)
高値:1,249円
安値:1,064円
終値:1,167円
出来高:3,019,400株(公募売出総計:2,168,200株)
初値は1,090円で公募割れとなりました。こちらも主幹事の引受価格が1,058円でしたので、引受価格よりも上で自力で始まっています。しかしながら地味系銘柄で同時上場の煽りを大きく受けた結果になったと言えるでしょう。初日のうちに公開価格は奪還しており、終値でも公開価格超えとなっていますが、主幹事の役割としてはこれが精一杯でしょうか?
こういう地味系銘柄は上場ラッシュ中は、この後も注目されないので出来高が細っていって、それに伴い株価がズルズルと下がり続けることが多いと感じていますが、どうなるでしょうか?
当方B級評価しており、やや安心予想としていましたので、とりあえず公開価格超えしてくれているのは良いのですが、こういう流れになると買いたいと思えるような銘柄ではないので、B級だけどあまり信用できないと見ていただければ幸いです。
こちらはピタリ賞がでませんでした。
概ね微増ぐらいで落ち着くだろうと皆さん思っていたと思いますが、上場ラッシュ中のIPO初値は甘くないですね。どうしても注目度で劣ると買いが入らず、負の連鎖で公募割れしてしまいます。しかし、何度も書いていますが主幹事野村證券というのもあってか?ちゃんと公開価格超えという見映えは作ってくれたと思っています。
最後に辻・本郷ITコンサルティング(476A)。
初値売りで約11.3万円のプラスです。公募当選者の方、おめでとうございます。
⇒辻・本郷ITコンサルティング(476A)のIPO新規上場情報
【辻・本郷ITコンサルティング(476A)】(公募価格1,850円)
初値:2,980円 (公募比: +1,130円/+61.1%)
高値:3,325円
安値:2,800円
終値:2,810円
出来高:3,059,900株(公募売出総計:570,000株)
初値は2,980円となり、初値で頑張ったのはこちらでした。小型xSBI証券で需給面で初値から参戦しやすいと感じ取られたと言えそうです。当方は直前予想で下げましたが、逆にすべきでしたね。なお、心理的な壁になる2,775円はすでに超えていて、そういう事を気にせずIPOセカンダリーで勝負するならという戦いが演じられましたが、高値で3,325円まで行ったものの、下がり始める動きも早く、結局、終値は初値よりも安い2,810円で終えています。
SBI証券主幹事ですので、今回はポイント換算をします。500P・200株で計算すると22.6万÷500=452。となり1P452円とでました。1P500円弱ということで、最近のポイント情勢を考えると、まずまずポイント投入して取ってよかった銘柄という計算でしょうか?
今後もポイント投入して大儲けのようなお宝IPOは出てこないと思いますので、1P数百円も出れば十分価値があると思ってポイント戦略を練りたいところです。
こちらもピタリ賞がでませんした。
読者予想平均値が2,939円と出ており中央値も2,750円付近。こちらは注目度通りの初値結果となったと言えそうです。ちょっと吊り上がって高いけど買いたいと思えるようなIPOが今後もたくさん出てきて欲しいところですね。SBI証券もIPOの世界で今後も頑張って欲しいです。
以上、3社の初値レポートです。
12月IPOは来週4日であと5銘柄が残っています。B級以上の評価としていますが、やはりこの時期のIPOは初値が低く出やすいところもあります。過度な期待は控えつつも、逆にチャンスもあると見て、それこそ見直し買い相場を含めて直近IPO全体を見渡しておきたいところです。
⇒【IPO初値結果一覧表】上昇率、損益、その後の値動きなどチェックに
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