日本で株式投資をするならみんな大好き株主優待に関しても夏休み中に少し、長いスパンの流れから考えてみたいと思います。当方のサイトでは株主優待では「株主優待クロス取引」の手法も紹介していますので、その手法の長いスパンでの振り返りも後半でしたいと思います。
上記は野村インベスター・リレーションズに掲載を転載。
株主優待情報に関しては各リサーチ会社が詳しく調べていて、どの情報源を得ても良いと思いますが、上記のような長期グラフまで掲載できる能力がある野村インベスター・リレーションズで知るのはオススメです。
株主優待Watching 株主優待の実施銘柄数が過去最多に!
サイト上でも豊富な情報があり「知って得する株主優待」 として毎年、書籍にまとめているのも強みです。野村IRは株系のセミナーなどでネット登録しておくと、この冊子が貰えたり、他にもちょっと美味しいキャンペーンなどがありますね。
さて、株主優待の状況ですが、この20年間を通してほぼ常に右肩上がりの状況です。コロナ禍で一旦、下落傾向に転じましたが、極端に下がることなくすでに再上昇の気配さえ見えます。2026年以降も特段の事情がない限り、日本の株式市場では株主優待も一つの投資のポイントであり続けそうですね。
株主還元の公平性の観点から「優待ではなく配当を」という動きも見られましたが、やはり日本の文化を考えると、日本での上場企業は「配当よりも優待が喜ばれる」と思っているところが多いかも知れません。
しかし、自社のサービスで優待を出せないところの動きは最近の事情は昔と比べて変わってきていると感じます。このあたりを今回は考察します。
- QUOカードやカタログギフト優待の動き
1つ目はリース会社や不動産業で良く見られたギフト系優待ですね。リース系会社で株主優待で「QUOカード」「カタログギフト」などで株主還元をしていたところは多くが株主優待をやめて配当で還元する姿勢がここ数年で増えました。その代表的な出来事がオリックスの優待廃止だと感じます。リース系企業は優待で還元していた部分を配当上乗せするようになりました。もともとこういった事業の企業は株主への還元策に関してはかなり意識していますが、優待ではなく配当が還元で大事な部分とみていそうです。
不動産業に関しては、やはり配当だけでは喜ばれにくいと考えて株主優待を維持しようというか餌にしようという姿勢が強いです。これは普通に普段の事業でも何か配って事業を円滑に進めようとする部分があるので納得ですね。しかし、QUOカードやカタログギフトではなく、より手軽で費用も抑えられそうな「デジタルギフト」への移行が進んでいると感じます。
・今後も増えるであろうデジタルギフト優待への対応
株主優待はデジタルギフト化がかなり進んでいます。デジタルギフトの価値はうまくポイント消化できる人にとってはこれまでのギフト系優待と何ら変わりません。むしろうまくやれば今まで以上に同じ額面でも価値が上がる方法もあります。現状では一番、状況が良いのが出来る限り「WAONポイント」への集約からのウエル活1.5倍デーでの消費でしょうか?Vポイントも等価でWAONポイントに出来ますので、VポイントかWAONポイントがデジタルギフトで交換できる場合はそこにまとめていくのが良さそうです。
それが出来ない場合は普段よく使うサービスで、効率よく消化できる電子ポイントなどに変えていきたいですね。
特にデジタルギフト優待が増えたり、外食サービスの優待電子化によって、電子化対応について行けない世代が有効利用できなくなったり、チケット屋への転売が難しくなったりと、自分でうまく利用する術を整えておくことが株主優待が美味しくなる時代になっていると感じます。
・優待ホイホイ銘柄での対応は一歩引いて
最近は株主優待が株価上昇策として使われることも増えています。明らかに企業コストで割に合わないレベルの株主優待をリリースすることによって、一時的に株価上昇に役立つことがありますが、長期的に続けるのはしんどいだろうというものも多いです。これらの銘柄は優待発表時から既に見透かされている状況ですが、それでも出来高を伴って値動きがでてきます。冷静な判断で適切な距離を保ちながら取引していくのが良いなと感じますね。
この株主優待と適切な距離を保ちながら行動していくというのが、昨今の株主優待クロス取引でも言えることになります。
株主優待クロス取引は年々良くはなっているものの、安定飛行で適切な行動を
当方は株主優待クロス取引の戦績をデータ保持のために2010年頃から継続して載せているページがあります。これによって過去の株主優待クロス取引と現状の動きの違いを確認したりすることで、長期的視野での感覚を掴んでいます。
年数グラフにはしていませんが、抜粋して過去年度の経過を確認すると
- 2010年 取得件数:44 件 / 得した金額:156,284 円
- 2015年 取得件数:165 件 / 得した金額:392,990 円
- 2019年 取得件数:160 件 / 得した金額:487,616 円
- 2022年 取得件数:217 件 / 得した金額:552,934 円
- 2024年 取得件数:228 件 / 得した金額:612,627 円
- 2025年 取得件数:206 件 / 得した金額:551,095 円
10年ぐらいの長めのスパンで、ずっと上昇してきましたが、ここ数年を見ても分かるように年間で200銘柄ぐらいを取ると正直お腹いっぱいになります。株主優待を貰うと、それを利用しないといけません。要らないものを貰って、無理やり消化するのもQOLが上がっている気がしませんし、「ミイラ取りがミイラになる」状況に近づきます。
株主優待は引き続き日本の株式市場では一つの定番ではありそうですが、株主優待クロス取引に限ってみれば年間で楽に取れそうなものを200銘柄分も貰っておけば十分です。もちろんクロス取引以外で貰う優待も株取引をする人ではたくさんあると思うので、追加で数十銘柄ぐらいは優待が手に入る人が多そうです。こう考えると、平日にほぼ毎日優待が何か貰えている暮らしって、そりゃお腹いっぱいで良くない状況でしょう。
株主優待で腹一杯になる状況は個人的には好ましくないのではと思っています。腹8分目というか、少しハングリー精神を残しておくぐらいの方が、体の調子は良いというのと同じではないか?と感じますね。
20年ぐらい前に当方が記事にして書いた内容が、まだ同じように行われている株主優待クロス取引です。20年経って証券会社のサービスの変化、参加者層の変化、情報スピードの変化など色々ありますが、個人的には「多くの方が緩くちょっとだけ得して楽しめる文化」として続くことを期待しています。
そのためには「過度な一般信用売建の争奪戦や早期化」「優待内容が過度にお得」といった行き過ぎた株主優待状況については、あまり関わらないで年間を通して緩やかに楽しめる人が増えてくれると嬉しいですね。
証券会社9社(松井・三菱UFJ eスマ・SBI・楽天・GMOクリック・SMBC日興・マネックス・大和・岩井コスモ)一般信用売り建て可能銘柄リスト
株主優待は「イベントの一つ」として捉えることが出来ますが、数あるイベント投資の一つとして、引き続き余裕のある取引を続けたいところです。また、株主優待で疲弊している人は別の投資方法でエッジのあるイベント手法を増やしていくことが改善につながるといえるでしょう。


