2024年5月20日にコインチェックから新しい暗号資産ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO実施のお知らせと、それに伴い申込スケジュールなどの情報が発表されました。
IEO(Initial Exchange Offering)とは、日本国内の法規制に則って暗号資産取引所が主体となって審査を行い、新規暗号資産の販売を行う仕組みです。
コロプラの子会社であるBrilliantcryptoが暗号資産としてIEOするということで『上場企業子会社初のIEO』という触れ込みになっています。ただ、この触れ込みはエルフトークンでBitflyer初のIEOという触れ込みで壮絶にコケたので、あまり効果はないと思っています。
正直、このお知らせが来て、まだエルフトークンの失敗から間も経ってない時期なので紹介するのもはばかりましたが、黒澤ファンドとしての見解を知りたいと連絡が来ましたので記事にしたいと思います。
今回はコインチェックからのIEOです。これまで国内IEOは5回ありますが、上場時に上昇したのは全てコインチェックが取り扱ったIEOになります。そういう意味で「IEOですぐ売る勢が儲かるのか」がIPO好きな方にとっては気になるIEOとなりそうです。
個人的には出てきた瞬間懐疑的な目線となっていて、IPOだったらとりあえずD級評価からみて、どの程度逃げ場があるのか?ぐらいと思うのですが、結局は需給で決まりますので、そういった点も含めて考察したいと思います。
ブリリアンクリプトトークン(BRIL)の募集内容(販売概要)
今回のブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO募集概要をみてみましょう。
発行者 | Brilliantcrypto(コロプラの小会社) |
発行トークン | ブリリアンクリプトトークン(BRIL) |
ティッカーシンボル | BRIL |
総発行数 | 1,000,000,000 BRIL |
販売総数 | 70,000,000 BRIL(総発行数の 7 %)「1億ELF」 |
販売総額 | 1,5120,000,000 円(約15億) |
販売価格 | 21.6 円/BRIL |
払込通貨 | 日本円 |
申込単位 | 1 口 = 250 BRIL(5,400円) |
申込上限 | 2,000 口 = 500,000 BRIL(1,080万円) |
申込期間 | 2024 年 5 月 27 日 ~ 2024 年 6 月 10 日 |
抽選・付与日 | 2024 年 6月 11 日~12日 |
取り扱い・上場予定日 | 2024年6月17日 |
今回の募集で総発行分の7%を販売。それでも約15億円の募集というプロジェクトです。ただしトークン自体は宝石採掘ゲームという仕組みで、いわゆるゴールドラッシュをそのまま暗号通貨ゲームに持ってきたような仕組みですね。
暗号通貨はゴールドラッシュのようなものと考えたら安直な感じがしますが、取引所とかゲーム開発者が考えそうなことではありますね。果たして、こういうゲームに群がる人がいるでしょうか?
最近はPlay to Earnのトークンが軒並み不調で今は盛り上がってない感が強いので、IPOと同じで今回のIEOに関しては人気が出ずに危険度高いIEOというのが第一印象の率直な感想です。なお1つ前のゲームトークンであるエルフトークンは、初値からすぐに半値以下まで落ちているので、それを見るとIEOで買わずにゆっくり待ちたいという人の方が多くなるのでは?と単純に感じます。
それでも踊らにゃ損感は上場前には出してくるでしょうし、これまでのIEOで即売りで総合的には儲けている人が多い業界です。ひとまずの注目度は集めるでしょう。
もう一度、これまでの5つのIEOの募集額を振り返ると
1号「PLT(コインチェック)、9億3150万 上場時上昇」
2号「FCRコイン(GMOコイン)、9.9億 上場時割れ→そのまま下落中」
3号「フィナンシェトークン(コインチェック)、10.66億 上場時上昇」
4号「Nippon Idol Token(DMM Bitcoin、コインチェック)、約10億 上場時割れ→その後上昇」
5号「エルフトークン(bitFlyer)、12.5億、上場時同値から割れ→その後下落」
となっています。今回のBRILは募集額が15億ということで、これまでで最大となります。しかし使う用途はゲーム内トークンですので、用途の幅は小さい。IEOとしての新味感も薄れているのに募集額は多い、そしてコインチェックでは3例目のIEOになりますが、1→2例目で抽選の倍率なども下がって、それに伴い上場時の価格も落ち着いたものとなりました。
これらを整理すると「上場時の値動きは、やはり募集時の人気度具合次第」というふうになります。コインチェックのIEOはこれまでも募集が満額になったときにリリースを出して、人気や注目を集めるという手法を使っています。第一印象の評価はこれまでよりも下がってみてしまうのは仕方のないところでしょう。それをどうやってリリースなどで注目を集めるかですね。
コインチェックからは初日申込促進キャンペーン
ブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEO申込は5月27日よりスタートしますが、初日に申込みをすると10万円分のBRILが当たるキャンペーンを出しています。
上記絵とかゼルダっぽさを出してるんですかね?オープンスペースに冒険になるゲームはハマる人はハマりそうです。
おそらく、申込の早い段階で満額募集を集めたいので、初日に申し込んでね。いっぱい集まったらリリース出して盛り上げまっせ!という作戦に見えますね。抽選で10名なので、キャンペーンのチャンスは少ないと思いますが、申し込もうと思っている人はどうせなら初日にとりあえず参加すると良いでしょう。キャンペーン要件に口数など書いてないので、とりあえず1口入れて、その後口数調整ぐらいでいいのでは?と感じます。
コインチェックのIEO抽選方法はいつの間にかページが出来るほど体制が整っています。
まずは一口づつ割り当てる広く浅く配る方向性にはなっているようです。申込人数が多い(今回は28万人以上)と外れることもあるようですが、申し込めば1口は当たりそうな内容ですね。
過去のコインチェックのIEOではとりあえず申込は200億ぐらいは集めていますが、今回は募集開始後のリリースからどの程度申し込みがあるのかを推測するのが、上場時の動きを予想するのに大事になるでしょう。
ブリリアンクリプトトークン(BRIL)の参加スタンスまとめ
最後にブリリアンクリプトトークン(BRIL)の参加スタンスです。
このお知らせがメールで届いた時に、やはり感じたのは1つ前のエルフトークンの失敗も冷めてないうちに新しいゲームトークンの発行しても人気が集まらないのでは?という視点です。
IEO自体も6例目になり、とにかく参加したほうが良いという時期はもう終わりで、コインチェックからも3件目になり、1例目より2例目のほうが上場時の過熱感が下がっていることも考えると、今回のブリリアンクリプトトークン(BRIL)のIEOも過熱感の低下から、上場時に即売りでラッキー儲けという形にはなりにくいでしょう。
上場時に過熱感が出るかは基本的に募集時の人気によりますので、初日のキャンペーン用に一口申し込んでみて様子見、それであまりコインチェックから確信のある人気殺到のリリースが出ない限りは、上場時もあまり盛り上がらないかもしれません。
なお、宝石採掘ゲーム「ブリリアントクリプト」はPC版を6月17日にリリース予定です。コインチェックでの取引開始と同じくゲームも開始されます。ゲーム自体は単純そうなので、世界のどの人もやろうと思えばPCがあれば出来るものとなりそうです。
なお、IEO以外にも5月29日からはゲーム内のアイテム販売をコインチェックで行うようですね。
ゲームのロードマップを見るとメタバースにジュエリーのコンバートも可能になったりと他分野での価値も提供する仕組みも作っていそうで、SANDBOXやマインクラフトと似た感じで、多くの方が共通の価値を見て欲しがるようになれば価値も上がるかもしれません。
個人的にはIEOで短期視点ではちょっと今は苦しいのでは?と思っていますが、長期的に見れば案外長く続けて構想が世界的に受ける可能性はあるのでは?と思っています。コロプラのIPOの時もゲーム会社としてIPO時は人気を評価していました。
長い目線で、これからは暗号通貨資産への多少の割り振りも必要な時代となればIEOだけでなく、上場後に下がれば買いやすいと見てトークンを手に入れておくなどもありかもしれません。
なおBRILのロックアップは結構厳しく6年後までに流通量は30%程度までとなります。このうちIEO分は7%です。6年間でどこまで需要が伸びるプロジェクトになるのか?このプロジェクト構想に関しても真贋が問われますね。ということで参加スタンスとしては、ご自身がこの程度は割り振っても良いかなぐらいの感覚で参加する程度が良いかもしれません。IEO(暗号通貨)の分野へは最悪0になっても参加した意義を感じられる程度が良いのかもしれませんね。
私自身はこれまでのIEOで儲かった分、損した分を総合してもまだ余力がありますので、その程度の範疇で0になっても良い資産として参加しそうです。