書籍のタイトルが「ブログタイトルっぽい」印象ですが有名ブログ「The Goal」の管理人こと個人投資家のまつのすけさんが書籍を出版されました。
サイトを見れば分かると思いますが、IPOや株主優待の他、様々なお得な投資法を実践されている方で当方の投資法とも、ほとんど一致する感じで、おそらく書籍の内容は納得することが多いと思い、読んでみましたのでレビューします。
ちなみに当方、タイミングよくまつのすけさん本人に会う機会があり、今回は本を頂いております。
1ページ目をめくると本の印税はすべて日本赤十字社に寄付するとのこと。その理由も本の中に書かれているのですが、「人間万事塞翁が馬」を感じました。
実は私の座右の銘の一つが「人間万事塞翁が馬」です。相場観に関しても結構その精神で、常に自然体を保ちつつ、人とは違ったエッジポイントを探し続けています。
前置きは良いとして本は11章からなり、一人の人が書いたにしてはかなりのボリュームです。基本的にはイベント投資がメインですね。1章にて自分にはイベント投資があっていたということを説明していますが、私も同じ系統です。インデックス投資なども昔やっていましたが、ちっともお金が増えず、中途半端なプラスで終えています。
それよりも常にイベントでエッジのある部分を探し続けて、資金を回転させて増やすほうが性に合っていますし、保有リスクでストレスを感じないというのも私にはあっていますね。
内容を少し紹介しましょう。
1章・・・イベント投資
日経平均の季節性、大納会・大発会のイベントが書かれていました。このあたりは2000年からのデータもあるので理解しやすいと思います。勝ちやすいポイントはあるよという紹介ですね。
2章・・・市場昇格狙い
この内容は他書のほうが詳しく書かれているものもあります。書籍の中でも推薦書籍が書かれています。気になったら推薦書籍も見てみましょう。
3章・・・優待イベント(先回り買い)
優待クロス投資(つなぎ売り)に関しては亜流過ぎて書籍には書かなかったのかも知れませんが、私がやるとすれば時間差クロス的な部分ですね。優待権利付きに向けて株価上昇を狙うというのは今ではよく知っている人も多いでしょう。どんどん先手が必要になっています。
4章・・・IPO投資
意外にもこちらは控えめでした。ところどころ聖闘士星矢とか出てきて年代が一緒と感じてしまいました。おそらくまつのすけさんももっといろいろ書けるけど、書面の都合で削っていそうですね。
岡三オンライン証券の投信でのステージ狙いは私も紹介していますが、まだ知っている人は少ないかも知れないのでチャンスはあるかも知れません。
5章・・・TOB
TOBに関しては情報をよく吸収しておくことが重要かと思います。これはTOBとかよく紹介しひているツイッター人物などをフォローして雰囲気をみたいですね。
6章・・・不祥事イベント
これは個人投資家の大口に対しての優位性を活かした投資法だと思います。大口がどうしても売らないといけなくて異常に割安になったりするものを逆張りで攻める方法です。ある程度、場数を踏まないとハイリスクハイリターン系だと思います。
7章・・・中小型株について
大型株より中小型株のほうが、個人投資家にはチャンスが豊富だよねという話です。何故か、最後に急に「つみたてNISA」をディスっているような(笑)
8章・・・順張りと逆張りについて
まつのすけさんの順張りエントリーの基本ルールが書かれています。後は基本は順張りだけどいつ逆張りするかについても書かれてます。
9章・・・ロング・ショート
順張り・逆張りときてロング・ショート。投資のポイントはこの組み合わせの4つですので当たり前のないようなのですが、特にショートは怖いという人が多いと思うので、そうではなく基本ですよという意味で載せているのかも知れません。
10章・・・ちゃんとシミュレーションしましょうねという話
「俺たちは株を雰囲気でやっている」になっていませんか?という感じで勝ち組はちゃんと検証していますよという話です。そして優位性が出れば着実にそれを続けるのみです。そこをシステム化すればシストレになります。
またイベント投資の弱点にも書かれていて、優位性が変わるから定期的にチェック検証が必要だねということも書いています。
私も例えば株主優待などは日本のいびつな文化だと思ってますので、今はいいけど先々は優待を餌にしなくなるリスクがあると思っています。「株主総会のお土産」だったり、「端株優待」だったり過去のお得で消えていっているものもありますよね。
11章・・・メンタル「行動経済学」
行動経済学では著名な投資本をしっかり読んでいる人は見直しという印象でしょう。ただ、実は投資する上で最初に知っておきたい知識でもあるかもしれません。非常に分かりやすく書かれているので、分厚い投資本読まなくてもすっと入ってくると思います。
最後にFXスワップ投資法がおまけで載ってました。
ちょっと書籍のタイトルの書き方は「本を売るための出版社の思惑」が出ていると思います。実際に年間に3000万以上稼いだ、本当の最初は40万はいつの話か分かりませんが言い過ぎ感もあります。
これは、他の分野の本でも一緒で例えば英語本でTOEIC関係ないのに著者がTOEICの点持ってるから「1年でTOEIC900点以上の英語学習法」とか書いたりします。
総括すれば「イベント投資法」はまつのすけさんに合っていて、おそらく他の人にも合う可能性があり、個人投資家にまだまだエッジのある儲けポイントはあって、複数の組み合わせでしっかり儲けましょう!って感じでしょうか?
各イベント「IPO」「PO・売り出し」「株主優待」「立会外分売」「市場鞍替え」などはそれぞれ関連があったりして、複数のエッジポイントが出てきます。それを上手に拾っていくことで利益を上げていけるというのは私も実践しているところです。
あとは、資金量によって投資スタイルの変化も必要かと思いますが、その点に関してはあまり書かれてない印象でした。40万元手でいくらイベント投資でも月250万は無理です(年10%~20%のパフォーマンスは欲しいですが)。ただ、数年継続してしっかりいいパフォーマンスを作ることは可能で、私の回りでもイベント投資系の人は勝ち組が多く、楽しんで投資している人が多い印象です。