久しぶりの投資本レビューになります。

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元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法

最近流行りを見せ始めているロボアドバイザー系投資 Wealthnavi(ウェルスナビ) CEOの柴山和久さんの本です。昨年出版され、今でも本屋では平積み状態で人気が高いことが伺えます。私も立ち読みしながら、特に最後の方の考え方に共感していましたが、最初からじっくり読みましたのでレビューします。

 

実はWealthnavi(ウェルスナビ) に関しては2017年の時点で注目していて、私自身試してみて記事にしていました。そこからもう2年経っていますが、順調にサービスは動いています。

【Wealthnavi(ウェルスナビ)】ロボアドバイザーで低コストで国際分散投資

改めてロボアドバイザーによる投資のメリットとは何なのか?何故、創業者がこういったサービスを始めたのかを知るいいきっかけになる本でした。本の中身を見出しレベルで紹介して、感想を加えたいと思います。

第1章 5つの失敗から学んだ投資の鉄則

ここは著者の失敗例が載っていますが、投資初心者が陥りやすい例を載せていますね。こういうのはしっかりと勉強している人は他の本などでもチェックしていると思いますし、当方のサイトなどを見ている懸命な投資家の方たちは当然だろと思うかもしれません。

でも、こういう感覚っていつのまにかボケてしまうので改めて失敗例などを見直して再確認するいい機会になりました。私のサイトではIPOや株主優待などに関するテーマで記事を書いていますが、書きながらも優待などは実は日本の株式な異常な文化だと思っているので、いつまで今の状況が続くかわからないと常に危機感は持っています。

第2章 時間と世界を味方につける資産運用とは?

「長期・積立・分散」投資の良いところをデータを見せながら紹介しています。いわゆるインデックス投資家とかが好みそうな内容です。

実は何を隠そう、私も投資を始めた頃はインデックスETFを買い付けて長期投資派でした。ちゃんとしたパフォーマンスは出ているのですが、これだけだとスパイスが足りないので今のサイトの雰囲気になっています。特に長期視点を持つというのは人間にとってはしんどいことだと思っています(だからロボアドバイザー系の勝手に投資は長期積立投資にはありだと感じています)。

第3章 日本の資産運用はガラパゴス化している

ちょっと今の日本の投資環境に対して世界と比較して厳しいこと書いていますね。テーマ投信に対する指摘などは面白いです。最近だと証券会社からAIのテーマ投信いっぱい出ていますね(笑)。ちょっと前はIPO投信なんてのも薦められたことあります。

(コラム)七面鳥の罠:安定した高いリターンに安心してはいけない理由

コラムの内容は勝手に株主優待を連想してしまいました。株主優待を餌にして株持ってたら優待終了、株価激下がり銘柄、最近多いですよね?

第4章 日本人が知らなかった“正しい"資産運用

長期投資の資産運用、インデックス投資系の優位性を説いています。こういうのは似たような書籍も結構多いので、知っていると思う人も多いでしょう。

第5章 人間の脳は資産運用に向いていない

これは私も思っています。人間とAIで資産運用を勝負したら、AIの方がパフォーマンスが良くなる時代が来るでしょう。素直に認めます。

ですので、私としては人間作業でできるのはエッジを探して、状況が良い時にコツコツと稼ぐことぐらいですね。長期投資とか単純に株の売買だけだと余計な人間の感情は悪い方に働きそうです。

(コラム)スイスのプライベート・バンカーが明かした、富裕層の悩みごと

閑話休題でした。

第6章 テクノロジーが実現する豊かな未来

著者が頑張ってウェルスナビを立ち上げるまでのドラマが描かれていますが、好感が持てますね。今はAIやロボアドバイザーはまだ走りの時です。そのため、まだまだ新しく改良される余地はあると自分は思っています。

Wealthnavi(ウェルスナビ)も初心者が間違いのない資産運用をするための方法として素晴らしい方法だと思います。正直、証券会社の投信売りつけの時代は終わっていくでしょう。

 

透明性も確保することが大切という信念の元やっているのも支持される秘訣です。特に長期投資が前提ですので、預かり資産の大きさ(サービスの継続性)や透明性は非常に重要ですね。

投資先は海外上場のETFです。低コストインデックス投資の王様です。本で著者が感じた世界標準の投資ができるかの差が、未来の資産形成に大きく変わってくるのかなというのは私も感じます。特に若い方の方が本当はこういったところから始めて欲しいですね。

私の場合(10~15年前)はETFを買えばいいというところまではやっていましたが、少額で世界分散、自動積立というのは、自分でコツコツやらないといけないので難しい印象でした。

第7章 お金から自由になったら何をしたいか -自由になるために実践すべき3つのこと-

実はこの章を本屋さんで立ち読みして共感していました。

(1)若い時は自己投資(2)無職でも2年食える蓄え(3)生活水準を上げすぎない

この3つが著者の経験から述べられています。お金があるといろんな事ができますが、逆にお金に縛られて生活がおかしくなる人ってたくさんいます。

お金って本当に魔力を持っていると思います。「お金があって何でも出来る」状態というのは実はそれほど羨ましいことではないと感じますが、それが気づけるかというのは大切なことです。

出来ればお金に悩むことのない状態で暮らしたいですね。それが、資産運用の目的だと思います。

元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法
柴山 和久
ダイヤモンド社 (2018-11-15)
売り上げランキング:2233位

長くなりましたが、書評になります。著者の運営しているサービスWealthnavi(ウェルスナビ)も今後、折を見て紹介したいと思います。

本の中ではWealthnavi(ウェルスナビ)などに7割、スパイス的な株投資などに3割を推奨していましたが、私の場合はそこまで投資金額に余裕が無いので、スパイス的な投資に出来る限り資金を回し、それでも長期的な資産運用目的(老後資産目的)としてWealthnavi(ウェルスナビ)を使いたいですね。

やはり長期的に積立って忍耐力が必要です。使えるお金が減っていると感じない程度の投資がいいなと思います。住宅ローン払ってるとか携帯維持費を払っているのをなんとかして投資に回しているぐらいの金額が適しているなぁと思っています。

刺激的なサービスではないので、良さを知るのは難しいです。でもきっと未来にはWealthnavi(ウェルスナビ)に投資しておいて良かったという人がたくさん現れるのでしょうね。

後はこういったサービスも増えてきています。現状ではWealthnavi(ウェルスナビ)が一番評価されているイメージですが、もっと手数料が安かったり使いやすいサービスが出てくるかもしれないので、新しい情報はよく見て監視したいですね。

 

手数料体系ですが口座開設などの手数料は無料、入出金も無料で行なえます。資産運用部分にのみ年率0.5%~1.0%程度の手数料ですので、非常に良心的ですね。