2019年の2月のIPO(新規上場)は現在に7つ予定されています。2月は例年それほど多くない月ですが、今年はそこそこ揃って期待が高まっているところかも知れません。
しかし、今回はスタートIPOはインフラファンド市場とリート市場への上場ですので毛色が少し違います。普段はあまりBBスタンスや考察をしないのですが、スタートIPOということで考察してみます。
不動産投資信託(REIT)IPOの考え方、通常のIPOとは別口で考えよう
なお、リートIPOに関しては過去に大体の考え方を書いていますので、そちらも参考にBBスタンスを考えてください。今回は2件のIPOについて見ていきます。
こちらはインフラファンド市場に上場するIPOです。主幹事はSMBC日興証券。仮条件は引き下げてきたもののソフトバンクで話題となった一本値となっています。下は死守するという意味であまりいい印象ではなくなりましたね。
インフラファンドのIPOは過去の結果を一覧で見ればすぐ分かる通り初値向きではありません。過去は1勝4敗で初物だけプラスで以降は全て公募割れの憂き目にあっています。
またインフラファンドに出てくる投資法人はメガソーラー系ばかりで、お荷物物件を市場で買わしているのではないか?多様性が全く無くインフラファンドというか、太陽光投資ファンド状態です。
これに関しては東証も問題視しており制度改正などを含めて対象範囲拡大等検討しているが、別に自分でお得に運用できるなら、市場に売り出してやらないだろうしどうしてもリスク的に微妙な案件が増えているような気もしています。
ただ、IPO後の値動きを見る限りでは、下値が崩れていることはないので、メガソーラーを買いやすい価格で投資できるならしておこうという層は少なからずいるのかも知れません。
現状では初値向けのBBスタンスとして高評価を出すことはしにくい印象です。
エスコンジャパンリート投資法人(2971)のIPO新規上場情報
さらに今年は同日にリート上場となります。商業施設が80%以上の複合リートです。中身はニトリやケーズデンキといった大型店舗などが多いですね。立地的にも正直イマイチ、スポンサーもいまいち。そうであればせめて巡航利回りはいいのかというと、5%を割れるという見どころが非常に少ないリートとなっています。
しかしながら仮条件は想定価格を上限とする通常の仮条件できたので、いよいよ危険信号です。主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券と、こちらもリート取扱は久々で不安ですね。
なおリートIPOは2018年は初値全敗でした。こちらも下値リスクはそれほど大きくないですが、やや分が悪い状況であることは確かです。なお、通常のIPOに比べると長期保有で良い方にとってはそこそこしっかりした動きになっています。
公募増資を繰り返すリートにしては株価の動きは堅調です。
東証REIT指数も2018年は意外と堅調に推移していますね。
たらたらと書きましたが、リートやインフラファンドのIPOに関しては初値向きではないということをしっかりと認識して参加するのが吉です。
不動産投資信託(REIT)IPOの考え方、通常のIPOとは別口で考えよう
その中でも、初値が上がりやすいのはどれか?となると今までになかったタイプの投資法人の上場(リートならヘルスケア一号、インフラファンドなら太陽光以外)であったり、スポンサー力や物件の魅力(立地など)が重視されると初値も人気で上がることが多いですね。