サイゼリアの株主優待制度変更が発表されました。サイゼリアは外食小売で優待でも人気の高い銘柄ですが、今までも株主優待制度は頻繁に変えてきています。
過去には優待券（金券タイプ）のみでしたが、商品のみにしたり、やはり人気の優待券タイプも出してきたりと変更してきました。企業としても「株主優待還元策」を重要視しているイメージです。
そんな、サイゼリアが再び株主優待制度の変更を発表しており、その内容に過去に見たことがない表記がありました。
まず、一見様対策として継続保有を条件としています。近頃は優待クロス手法が盛んになり優待権利月日付近だけ株を保有して、優待コストだけが増えて実際の株主が増えないことを悩みにしている企業が多く、この長期優遇や継続保有条件をつける株主優待制度が増えています。
対応策の一つとしては、株主番号の摺り合わせをしているだけなら「端株」を保有することで株主番号の維持と株主名簿に載ることで対応が可能です。
しかしながら、今回のように「100株以上を継続保有」としっかり書かれている場合は、端株のみでは対応ができません。そのため、継続保有をしていると見せるために「空クロス（保有確認する日にクロスしておく）」ということで対応できる状況です。
概ね「空クロス」は優待権利付き月ではない半期か四半期の末だったりするのですが、今回のサイゼリアは「4月末～8月末までの任意の日」とチェック日をぼやかすことで空クロス対策もしてきました。
今後、人気の株主優待企業ではこういった対策をしてくる可能性もありますので、今回はその対応策を紹介したいと思います。
- 単元株現物保有
1つ目はもう純粋に単元株を保有するということです。これは現在の株価が買ってもいいと感じるか、株価が安くなった水準で仕入れるという作戦です。
私もいくつかの銘柄は、毎回クロスをしながら現物株継続保有に切り替える機会を狙っています。成功例としては毎回高逆日歩が付いている銘柄で「ビックカメラ」や「吉野家HD」あたりなどは現物保有切り替えが成功しています。
長期保有促進を対応している企業は、その対応がされた時期に持っておくと株価が伸びることが多いです（ちゃんとした業績が出ている所が良いですね）。
私は優待長期優遇を端株でとりあえず購入してみる「端株ポートフォリオ」というものを作っていますが、結構そういった銘柄の値動きは良いものが多いです。
- 「任意の日」を確認して空クロス＋端株保有
まずは「4月末～8月末までの任意の日」を当てる方法ですが、可能性が高そうなのは四半期末の5月末ですよね。いずれかの日で企業が「株主保有状況の確認」をするわけですが、どこかで株主の通知請求をしなければなりません。その情報を確認して、その日に名簿に載るように空クロスするという方法があります。
やるとすれば証券会社の情報をチェックしてサイゼリアが総株主通知請求を出せば、その時点で株主と載るよう空クロスすると「任意の日」で保有状態になります。
ただ、ここまでして保有条件を満たそうとする人は少ないかもしれません。確認は面倒ですし、こういった銘柄がどんどん増えてくると取引がカオス状態になりかねません。
また空クロスをするにしても端株を持っておいたほうが、株主番号が変わらないので端株も株主番号維持のために保有しておいたほうが良いでしょうね。
対応策はあるものの、ここまでする人は少ない→だから単元持てるならサイゼリアの優待欲しいし単元株保有者になろうという人が大多数ではないでしょうか？
個人的には「空クロス」をしてまで継続条件を満たすことはあまりしてません。株主優待クロス取引はとてもおすすめできる方法ですが、皆さんがほどほどに取引することで、下手に企業のお断り意識が出てこないと思います。
総会のお土産がなくなったり、端株優待がなくなったりと、あまりいびつな状態が続くと制度そのものが変わっていく様を何度か見てきていますので、制度変更には迅速に対応しながらあまり過度に裏技対策をせずひっそりとお得を享受していきたいですね。