4月IPO、4件目の登場です。今のところ上旬から程よい間隔でポツポツとIPOがあります。これぐらいのタイミングで上場してくれると、一つ一つの銘柄にじっくりと対応できるので嬉しいですね。

Will Smart(175A)のIPO新規上場情報

モビリティ業界へのDXソリューションになります。Mobility as a Service(MaaS)関連銘柄として注目されるでしょうか?

想定価格は1,480円。主幹事は大和証券です。
吸収金額が想定価格ベースで10.6億円で、東証グロース上場の中型IPOです。

ここがサービスを提供するのではなく、様々な移動事業と手を組んで新しいサービスを模索するような会社ですね。地図で有名なゼンリンの社内ベンチャーとして立ち上げたようです。

バスや鉄道会社、ナビ情報系の会社と組んで包括的により進んだサービスを提供する目的がありそうですね。

経営方針に載っている「モビリティDXの推進」「移動の利便性向上」を目指すためにサービス開発しています。事業内容はソリューション業として色々書かれていますが、そこに載っている事例を詳しくみるとイメージが掴みやすいですね。

情報配信サービスの事例ではバスターミナルでのシステムです。少ない人員で的確な情報表示ができるようなシステムを組んでいます。管制塔システムみたいな感じでしょうか?それぞれのバスの場所やタイムスケジュールなどを的確に把握して、それをデジタルサイネージなどに反映させます。昔に比べるとバスのターミナルのシステム化は随分進んでいて、今だと利用者のスマホへ直接知らせるレベルまで来ていますね。

カーシェア系ではマンション住民に特化したシステムですね。マンション住民の車をカーシェア制にして5世帯に1台程度でアクティブに利用できる効率性向上などを目指しています。自家用車所有が減ってきている時代ですので、特にマンションの駐車場問題・車保有問題は今後さらに進むでしょう。

地域交通の効率化へも挑戦しています。近年は地域での移動手段で特にバスは路線が廃止されたり、必要な供給量を把握するのが難しくなってきており、バス会社がバラバラに運行量を考えていては地域社会の利便性に対応できません。行政も一緒になって需給バランスの検証にデータサイエンスを活用しているようです。これもうまく行くといいですね。


ソリューション全般にわたり考えられているのが、「移動サービス事業者が需給を適正把握して効率よく運営できる仕組み」「移動サービス利用者がより快適に移動サービスを使える仕組み」の両方にとって良くなるソリューションの提供ですね。

この分野は問題も多く、ITやシステムを使って解決できる課題も多いですので、こういった会社が活躍できる部分はまだまだありそうです。特にMaaSは利用者側からすると、今は全員がスマホを持っている時代で、スマホで「どこどこへ行きたい」と決めたら「料金から決済、移動手段」まで全て完結するサービスは海外ではあるようですので、日本もそういう時代にはなってくると思います。

最後に業績です。売上は減少傾向で赤字も続いていて、業績だけ見ると不安な状況のなか上場となりそうです。MaaS自体は注目のサービスですので、どれだけ今後期待ができるかによって上場時の雰囲気も違うでしょう。個人的には4月に大和証券が持ってくるIPOは期待度が高いものが多いと思っていますが、大手予想会社の評価や仮条件などの発表を持ってBBスタンスを考えたいところです。

吸収金額10億レベルのグロース系のIPOですので、とりあえずは第一印象は前向きに評価したいところですね。

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