4月に入ってからやや不調のIPOですが、5月はもともとIPOがあまりない時期なので新規上場承認も出てきません。そういったことを考えていると、そういえば「REIT」や「インフラファンド」ってこのところ全然新規に出てきてないけど、どうなっているんだろうと感じました。

そこで少し「REIT」「インフラファンド」のIPOの過去のデータを振り返ってみたいと思います。当方のサイトのデータから簡単に調べられるのも特徴ですので活用してみてください。

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まずはリートに関してです。2000年以降のデータではすでに66銘柄が上場しており、年間2~3件ぐらいは上場があったのですが、2021年の上場を最後にREITの新規上場は出ていません。2022年に噂されたシノケンリートが上場中止となってから、全く雰囲気もなくなっていますね。

リートは基本的には初値売りで儲けようとしても難しいです。サイトのデータを見ても分かるように勝率半々程度の結果ですし、初値がプラスになったときもそれほど1枚あたりの利益が大きく出ません。しかしセカンダリーの観点も含めて考えると、意外とリートは美味しい部分があるので、当方は2023年から個別銘柄のセカンダリー戦略も書いているので、早く目新しいリート銘柄の新規上場が久しぶりに出てくればネタが書けるのになぁと感じています(笑)

なお、上記ページでは「初値」と「現在値」というものを並列して掲載しています。通常のIPOと違ってリートは時間を経て育っているものが多いです。長く持てば「分配金」を貰いつつ株価の上昇も期待できる実はなかなか優良な投資先と言えるかも知れませんね。通常のIPOの方が初値はよくても、中長期で奮わない銘柄が多いため、リートIPOがたま出てくれたほうがIPO愛好家としては分散されていいと思っています。

もう一つ「市場」の違う特殊なIPOといえばインフラファンドです。初上場銘柄は2016年でした。今のところ7銘柄しか上場していません。そして初値は7戦5敗という散々な結果で、2020年を最後に4年ほど新規に上場銘柄は出ていません。

それもそのはずでインフラファンドという名前で幅広いインフラ事業が出てくるかと思いきや、基本メガソーラーを持つ太陽光ファンドばかりが出てきており、新規性のなさが浮き彫りにされて、新しい上場銘柄が出ても投資家からは食指が動きにくく魅力に欠けます。

これは東証が市場の改革をしなければならない状況です。なお、上記インフラファンドの内、2銘柄がすでに上場廃止となっています。こちらは今後、全く新規上場は出てくる気配はないかも知れません。


「REIT」も「インフラファンド」も新規上場するにしては市場の魅力が薄くなっているのが事実でしょう。というのも新規上場というからには「何かしらの新規らしい魅力」が欲しいところです。そうでないと投資家も投資したいと思わないのでお金が集まりません。

REITもインフラファンドも新しい新規上場銘柄が今後出てきてもアピールポイントが面白みが欠けると感じられる状態では、新規上場時に資金が集まらないことで、それなら上場する必要もないと感じ取られやすいです。

私達IPOファンの個人投資家目線では、とりあえず新規承認で今後出てくれば、その銘柄ごとに内容を見極めどういった形で参加するかが肝になると思います。IPOやどんな銘柄でも「新台」ですので調べるだけでも楽しい部分はあります。

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結局は出てきたところ勝負なのですが、そろそろリートIPOあたりみたいですね。

最近はクラウドファンディングが活発で、上場リートでなくても小口でも不動産投資が出来る機会が増えています。

不動産投資型クラウドファンディング取扱い事業者の特徴と感想を随時更新

リートは上場しているのでいつでも売買が魅力ですが、不動産投資型クラウドファンディングもそれなりに短い期間で投資できるものも多いですし、リートよりも高い利回りを目指せるものも多いでしょう。不動産投資型クラウドファンディング各社もリートとの違いをまとめてアピールしている所も多いです。

今となっては不動産投資でリートだけでなくクラファンを通して投資できて人気があるので、益々上場リートの魅力が薄れていっているのかも知れません。