大手ネット証券の2大対決といえばSBI証券と楽天証券です。各サービスの拡大傾向やポイント系の還元、取引手数料での戦いなど、2大ネット証券としてしのぎを削ってきました。「冠」としては楽天とSBIの戦いでもあります。
この2つの戦いの中で上場ニュースがお互いに逆の方向で出てきたので紹介いたします。
楽天は予定していた楽天証券の上場申請を取り下げ
楽天グループの中でも儲かっている虎の子事業の楽天証券を上場させてグループ全体の資金繰りを考えていたようですが、2025年1月30日の段階で一旦取り下げとなりました。取り下げなかったら2025年の上場だったのでしょう。
引き続き上場方針を維持するようですが、みずほ証券との連携を強めて事業価値を高める方針のようです。カブコムも銀行系グループの三菱に社名変更など体制が変わりますし、楽天証券もひょっとすると「みずほ楽天ネット証券」なんで名前になる可能性もありますね。いずれにしても上場方針は維持するようですので、楽天モバイルなど他の事業の進展や、有利子負債などの償還など解決具合によっては、また現金が欲しいということで動いてくるかもしれません。
雰囲気としてはみずほグループからの出資の目処がついているから、差し当たっての資金繰りは大丈夫になった感じでしょうか?
楽天証券はお世話になっている方も多いと思います。使い勝手は現状問題ないですし、ちょっと還元系のサービス改悪が続いているので、業績好転してくれればサービスを改善させることもあるかもしれません。
ただし、楽天との付き合い方は、べったりではなく良いところや変化を見極めてスムーズにこちらの付き合いも考えるというのがベターかと思います。
SBI新生銀行は再上場に向かって公的資金返済
一方、SBI系のSBI新生銀行(元新生銀行)は2025年1月28日に公的資金の返済と再上場の検討・準備開始がリリースされています。新生銀行は2023年9月に上場廃止となりましたが、スピード再上場を狙っていそうです。
このスピード感を見ると、もともとの新生銀行の経営陣の体たらくを感じてしまいますね。
SBIといえば「住信SBIネット銀行」が2023年に上場しました。
同年に楽天銀行も1ヶ月遅れで上場したもののネット専業銀行の上場は初ということで盛り上がりました。上場時から2年弱経っていますが、どちらの銘柄も上場時よりかなり株価が上昇しています。2023年のIPOはこのネット銀行株が話題の年でした。
SBI新生銀行が再上場となれば、SBIとしては銀行業グループを手持ちに盤石体制を引けます。先の楽天はみずほ銀行系と連携というように、各グループがそれぞれの業種を包括的に抱えてサービスを提供して競い合うという構図が見て取れますね。
「SBI vs 楽天」は外部から見ていると動きが興味深い部分は多いでしょう。お互いが競い合って、利用者やサービスを受ける側が、競争の結果生じる質の高いサービスを受けられれば嬉しいですね。
SBI証券の口座も多くの方がお世話になっていると思います。サービス競争で競い合って、常に最高水準を出してくれるので、SBI証券に集約しておけば良いと考えている人も多いと思います。
私もSBI証券にまずは集約して、それでも他の証券会社に良い部分が見つかれば、他の証券会社も使うことがあるという動きをしているかもしれません。