10月3件目のIPOは全数売出の半導体関連となかなかえげつないIPOの登場です。ひと目見ただけでパスという人も多いかも知れませんが、チャンスが隠れているかも知れませんので丁寧には見ていきたいと思います。
カスタムSoCにターゲットを絞って、富士通とパナソニックが統合した半導体会社ですね。事業開始は2015年となっています。今ってプロセス7nmとか5nmぐらいなんですね。私はこの系統の開発部隊にいたので事業には馴染みがあります。FとPの合弁ですか・・・
想定価格は3,480円。主幹事はSMBC日興証券と野村證券の共同主幹事です。
吸収金額が想定価格ベースで472億円で、東証プライム上場の大型IPOです。
沿革を見ると富士通とパナソニックの半導体が会社分割してSoC事業を統合、日本政策投資銀行の援助を受けて事業改革しました。もともとは民生向けSoCが中心でしたが、最近では最先端のセンサやカメラ、車載系に舵を切っています。
半導体にもいろいろな分野があって、私もこの分野で働いていたことがありますので懐かしいですね。DRAMなどメモリ事業、大ドラなどTVなどに使われる半導体、ゲームとか音声SoC、そして車載SoC、特に昔でも車載系はカスタムSoCみたいな感じだったと思います。
市場シェアを見るとこの分野では1位がBroadcomとのことです。無線系に強くアメリカが本拠地ですね。
個人的にはパナソニックと富士通がそっちの分野にシフトしたのはいいけど市場シェア2位とか言って8%なのどうなの?(しかもApple除く?)それ目論見書に書いてアピールになってる?みたいな円グラフの見せ方トリックですね。
業績では直近ではよく頑張っているのはわかります。なんとか上場して援助してもらった分の回収をしないと、という感じかもしれません。
業績の上には高い配当性向を目指すというアピールがありました。これはあくまでもアピールですので、この通りになるとは言っていません。あくまで目指しますですし、利益が継続的に出ないと「無い袖は振れない状態」も覚悟です。
まぁ半導体のIPOではJDI(ジャパンディスプレイ)の悪夢のイメージが皆さんの中では大きいでしょう。
あちらもディスプレイ系の半導体企業で、日本の電気各社のお荷物半導体をまとめたような状況でした。今回も同じでなければよいのですが・・・。
野村證券とSMBC日興証券の共同主幹事です。これは主幹事としてもどうにかして売りさばかないとというレベルで10月中旬に持ってくることでなんとか売り切れるか営業マンの手腕が問われそうです。お付き合いをしている人は買わされそうですね(笑)
「市場シェア2位の最先端半導体企業です!キリッ!配当もオススメ!」て感じでしょうか?
初値予想もお願い致します。