ワクワクする宇宙ベンチャーの登場です。やはりIPOはこういった企業が出てくれる方が盛り上がりますね。今年はispaceに続いて宇宙系が2発になります。主幹事はSMBC日興証券です。さすが日興さんはこういうIPOの取り扱いが多く良いですね。
小型の衛星開発を行っているベンチャーになります。すでに何個も衛星を宇宙に飛ばしており、ここに来て上場してさらに資金を得て、未来の宇宙ビジネスの実現に向かっていきます。
想定価格は380円。主幹事はSMBC日興証券です。
吸収金額が想定価格ベースで24.9億円で、東証スタンダード上場の中型IPOです。
こういう企業の目論見書を読むのは面白いですね。IPOも今は宇宙系が一番新規性が高いとして注目される状況でしょうか?
まずは事業のビジョンから観測衛星を複数打ち上げることで「準リアルタイム観測」の実現を目指しています。その観測データによって交通・防衛・災害時など様々な分野に活かすことが出来るという仕組みです。実現される未来はワクワクしますね。
沿革です。もともとは九州大学にて小型衛星の開発をしており、その小型衛星の技術力で、ここまで来ています。開発成功が2016年とされており、これまで6号機まで打ち上げされています。なお、1・2号機は成功したものの3・4号機は打ち上げ失敗となっています。昨年度に日本のロケット打ち上げ失敗で衛星が無駄になったとニュースになりましたが、あれですね。5号機は2024年度に打ち上げ予定です。
これまでの打ち上げ状況見ていると日本の打ち上げロケットに搭載したものだけ失敗しているのが残念なところではあります。
技術の核をなすSAR衛星の説明もされています。観測手段がレーダーになっており、そのレーダーの名称が「Synthetic Aperture Rader」でSARのようです。従来は光学センサーだったため時間帯や天候に制限されていましたが、この技術で制限がなくなるという常時観測システムです。
そのSAR衛星では、トレードオフになる部分が多分にあったのですが、そこを軽量化・高分解能を同時に実現できたことが、高い技術力として評価されているようです。海外のロケットにも載せたいぐらい、ここの観測衛星が優れているというのは理解できますね。
実物の写真も目論見書に載っています。こうやってみると理系学生の心揺さぶるような作品です。
高技術の衛星作成を地元九州のビジネスパートナーと一緒になって作っているところも見どころの一つですね。機械加工など中小企業の技術を大切に進めているのは、宇宙産業の魅力を感じます。
目論見書からの切り抜き画像が多くなりましたが、最後に業績です。是非、QPS研究所に興味がある方は今回は目論見書をしっかりと読んでみると面白いと思います。
18期に大きく売上が上がっていますが、売上相手先は官公庁です。内閣府や経済産業省にて採択・契約獲得により売上を上げています。今後もしばらくは官公庁相手に売上を上げる形でしょうか?将来的には電力会社・インフラ会社・保険会社・建設会社など画像データを売れるところの民間需要を開拓予定となっています。地図のゼンリンとか分かりやすいですね。川とか山とかの測定は宇宙からやった方が効果的です。
最後にIPO視点から第一印象を追加すると、今年は宇宙ベンチャーとしてispaceの上場がありましたが非常に盛り上がりました。やはりIPOは注目度が一番に大事ですので、今は宇宙レベルの可能性に勝負している企業には、投資家も投資したいという人が多いので今回も盛り上がりそうです。
想定価格も380円と安く抑えられており売出0のIPO。資金使途は小型SAR衛星の製造費用なので、投資の使われ方にも納得がいきます。ストック・オプションの行使価格をみても380円で上場時に買えるというのはお得感を感じます。
ベンチャーキャピタルの出資がものすごく多い企業ですので、それだけ将来的な売り圧も強いですが一先ず公募株の魅力は高めのIPOとして評価したいです。
SMBC日興証券は良くも悪くも話題性があるIPOがたくさん出てくるイメージがありますが、今回は良い意味での注目度のIPOです。是非、手に入れて上場を楽しみたいですね。
初値予想もお願い致します。