なんだか既に上場会社にもありそうな社名のヒューマンテクノロジーズの上場です。勤怠管理を中心としたクラウドサービスも今や色々なところが取り組んでいます。悪くないですがIPOとしては新味に欠けるところが出ると、上場時のインパクトが下がりますね。これで12月上場予定銘柄は12社になりました。

ヒューマンテクノロジーズ(5621)のIPO新規上場情報

ヒューマンテクノロジーズで「H&T」。ロゴはHとTを組み合わせているとなるとアレの球団と似ていますね。是非、ロゴでキャップなんて作って欲しいですね。敢えてちょっとズレた商品とか大好きなので買ってしまいそうです。

想定価格は940円。主幹事はみずほ証券です。
吸収金額が想定価格ベースで35.5億円で、東証グロース上場の中型IPOです。

最近は上場の要件として流通株を増やすことがありますので、上場時の放出が多めになり吸収金額が大きくなる傾向です。そのため、希少性は下がることから初値高騰はしなくなってきています。同時に上場初日の成り行き買いも出来なくなっていることから、初値が高騰しなくても仕方ない。緩やかに若干プラスの銘柄がたくさんあって、それらに多く当選していれば良いという状況に変わってきているかもしれません。

事業内容は分かりやすく「勤怠管理を中心としたクラウドサービスの開発及び提供」です。サービス名は「KING OF TIME」。この手のシステムは今やたくさんあると思いますが、ここが支持されている理由を見ていきましょう。

「KING of TIME」は1ユーザー月額300円という明朗で安いところに、勤怠管理から給与計算など豊富な機能を有しています。またデータ蓄積をしていることで、今後勤怠系の効率化を目指した様々な新しい戦略のための分析も可能です。ちなみに導入実績として導入企業数52000社、利用ID数約307万となっています。普通に300万人のユーザーが月額300円なら年間で概算108億程度の売上になります。

強みも図解で書かれていました。勤怠システムといえば昔はタイムカードでしたが、打刻方法も今や複数。集計機能もクラウドで便利に、さらにAPI連携でデータ活用もし易いとITの力が随分と使われています。私はこの手のシステムだとまだ「サイボウズ(タイムカードからパソコンで入力)」どまりの感覚ですが、どんどんと新システムがしのぎを削ってそうです。もちろんサイボウズもアップデートされて上記のような機能や新機能もあるのと思うので、コストパフォーマンスなどの争いにもなってそうです。

個人的にはこの業界は既にレッドオーシャン化しているように見えるのですが、どうなんでしょうね?とは言え、今も昔もIPOでまだまだ多いタイプと言えば就労市場系でもありますし、新しい仕組みやサービスを提供することで一気に成長する可能性がある分野だと思います。やはりお金の源泉は労働力です。

今後の戦略も色々書かれていましたが、IPOであったりベンチャー企業や企業の決算資料で出てくるお決まりの未来予測のグラフです。顧客毎に付加価値サービスを本当に提供できるのか?が判断が難しいところですね。

後は成長戦略として東南アジア圏への展開も予定しています。まずは日系企業の海外支社に展開を図っているようです。

最後に業績です。売上は伸びていますが成長は鈍化気味になるかもしれません。一方、利益はここ数年下がっており、ちょっと踊り場的な状況での上場です。勤怠管理システムだけですと、他にも色々な上場会社が提供していることから、ここから更に成長を予想するのは難しいですので、まずは現状の業績で、想定価格をどう評価するかになりそうです。

業種は悪くないけど、上場ラッシュに入って「普通感」が出てしまうと目立たないのが悪い方に転ばなければというところでしょうか?IPOの地合いがそれほど良くないので悩ましいですが、悩んでも仕方ないのでめちゃ悪じゃなければIPO楽しむ為にも参加しているような気がしますね。

ヒューマンテクノロジーズ(5621)のIPO新規上場情報

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