2023年4月に上場予定で延期となっていたトライアルホールディングスの再登板となりました。コード番号は「5882→141A」となっており予定が遅れたことで英文字コード入りになりましたね。車のナンバーと同じで英文字が入っていると新しさを少し感じます。
カートに決済タブレット端末がついているなど次世代スーパーとして注目です。前回は初値向きというより中長期的にという評価でしたが、1年経って今度は地合いも良くいいタイミングに上場となりそうですね。しかも価格や時価総額規模を下げての出直しですので割安になったとしても評価されそうです。出直しIPOは結構良い初値を残す傾向にあります。
想定価格は1,550円。主幹事は大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の共同主幹事です。
吸収金額が想定価格ベースで407億円で、東証グロース上場の大型IPOです。
まずはやり直しIPOということで前回との比較を書いておきましょう。
トライアルホールディングス(5882)のIPO新規上場情報(2023年予定時)
公募数:23,800,000株→21,200,000株
売出数:1,855,600株→1,653,100株
想定価格:2,000円→1,550円
吸収金額:590億円→407億円
時価総額:2429億円→1842億円
上場が1年程度延期となったものの全体的に規模感が縮小されています。さらに想定価格は1,550円と前回の2,000円に比べるとディスカウントがかなりされており、また日程面でも上場日に余裕を持たすことで、今度こそは無事に上場という態度になっていますね。
3月の下旬に大型案件ということで、買い圧の心配はあるものの新規承認時に第一印象は良いです。
TRIALの大きな特徴はスーパーなのにハイテクという部分でしょう。タブレット搭載のカードは代名詞と言えるかも知れません。さらにAIやビッグデータを活用、クーポンや買い物オススメのレコメンド機能など先進的なスーパーです。全国に広げていっていますが、一度は使ってみたいという人は多そうですね。
目論見書に載っている「23期連続増収」は圧巻ですね。小売業でこういう伸びを見せている企業は初値ではなく中期的にも期待できそうとは感じます。今回は上場延期が響いたことで、公開価格が安値になっているかが初値予想・BBスタンスでは焦点にはなりそうです。
九州発のトライアルですが、すでに全国展開しています。私が住んでいる地域でも徒歩圏とは言えませんが車圏内にトライアルがあります。コストコよりも近いところにありますが、コストコのようなインパクトはないものの次世代スーパーが認知されれば、利用者はもっと増える可能性はあると思うので上場メリットは知名度の点で大きそうです。
トライアルの目玉の一つスキップカートです。スーパーでの新しい買い物体験提供というのは面白いですし、その後ろで支える技術(リテールテックと呼んでいる)もスーパーでは考えられない先進的なものがあります。
業績です。売上高の増収は緩やかながら続いています。利益に関しても生活必需品を売るスーパーですので余程のことがなければ安定的でしょう。そうすると想定価格では割安感を感じますね。「やり直しIPO」は初値結果が良いものが多いですし、小売業でこれだけ安定的な動きをしているなら、中長期に対する期待感もありそうです。
大型の小売業IPOは本来であれば微妙評価なのですが、今回はやや高めに評価するかも知れません。しかし3月の他のIPOスケジュールも考慮したいですね。前回は大注目の宇宙ベンチャーispaceと上場日が被っていました・・・。
初値予想もお願い致します。