上場が噂されていた大型プライム上場案件。JX金属の登場です。この新規承認が出てくるまでは、3月IPOの新規承認が滞っていたかもしれませんね。そうであれば、来週以降3月上場ラッシュになるレベルで新規承認来ないか少し怖いところです。

JX金属(5016)のIPO新規上場情報

吸収金額4500億レベル。時価総額8000億程度となります。ENEOSホールディングス株式会社が100%保有していますが、そのうち半数程度を放出して上場となります。資源系会社ですね。

想定価格は862円。主幹事は大和証券です。
吸収金額が想定価格ベースで4611億円で、東証プライム上場の大型IPOです。

2024年は大型IPOとして吸収金額1000億以上のIPOとしてはキオクシアHD(1203億)、リガクHD(1291億)、東京地下鉄(3486億)がありましたが、そのどれよりも吸収金額が大きいですね。これだけの吸収を捌くにはかなりの営業が必要となりますので、それだけ売出し株に魅力を感じさせる値付けが必要になりそうです。

目論見書を見ていきましょう。

まずは事業概要です。大きく銅を用いた半導体向け材料、情報通信向け材料を製造しています。銅が電気的に非常に扱いやすい導線となるのは多くの人が知っていると思いますが、半導体の配線、電子機器の配線など様々な部分でのベーシックな配線として使われています。

創業120年レベルの会社ということで沿革も充実しています。もともとは日立鉱山という鉱山業です。鉄なども精錬していて自動車会社なども傘下にありました。さらにエナジー会社としても活躍、最近は電子材料事業をメインに展開して、さらに新材料などの開発にも取り組んでいます。

JXは「Japan」と未知を表す「X」を組み合わせたようです。日本を代表する総合エネルギー・資源会社です。

どのような製品に活用されているのか見ておきましょう。

まずは半導体チップの配線部ですね。質の高い金属材料を作れることからチップ内の配線に使われています。私は半導体畑に働いていた経験があることから、懐かしく感じますね。

こちらはグローバルシェアで64%と高いシェアを誇っています。世界トップクラスというのは競争優位性のアピールポイントですね。

さらに銅箔でも多く使われています。これはスマホとかコントローラーなどを分解した経験がある人なら見たことがある人が多そうですね。最近はスイッチのリモコンとか自分で修理する人も多いと思うので、上記の図にある銅箔の色を見たことがある人は多そうです。こちらも高いシェアを誇っています。

特に自動車に組み込む場合は高い安全性が求められますので、日本の質の高い製品が求められるので、安定したシェアが今後も望めそうです。

資源事業も伝統的に続けています。こちらは国内外の鉱山を引き続き開発。精錬と同時にリサイクル事業もしているので、このあたりは規模感が活きてきそうです。こういう開発は規模感がどうしても大切になってきますね。これらの事業は他の同等事業を行っているところと競争しつつ、提携や買収など今後も活発になりそうです。

業績です。会計基準などもあって少し分かりにくいでしょうか?売上高も利益も伸びているような伸びてないようなといった感じですが、証券会社の株を売ってくる価格にIPOディスカウントプレミアムが付いていると信じて参加するかという状況と言えるかもしれません。

あとは大型IPOは最近は成功例が多いですので流れに期待するというのもあるかもしれません。慎重に大手予想会社のレポートを眺めながらBBスタンスを決めたいところですね。

JX金属(5016)のIPO新規上場情報

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