本日は持ち越し銘柄を含め3社の銘柄が初値がつきました。結果的にIPOラッシュ期らしい極端な結果になっています。これぞIPOらしさとも言えますが、この激しさがあるからこそIPOは面白く、ついつい参加しちゃうという人も多いでしょう。ギャンブルのような中毒性がありますね(笑)
まずはエスネットワークス(5867)から。
初値売りで約12.6万円のプラスです。公募当選者の方、おめでとうございます。
【エスネットワークス(5867)】(公募価格730円)
初値:1,956円(公募比: +1,226円/+167.9%)
高値:2,356円
安値:1,569円
終値:2,356円
出来高:680,800株(公募売出総計:350,000株)
初値は初日の上限値段よりも高い2,000円手前の1,956円となりました。多くの初値予想や今のIPO地合いに逆らうような強い結果でしたが、初値後はふるい落とすような下落の後、それが済んでからストップ高張り付けという激しい結果でした。吸収金額が3億レベルの銘柄ですので、動き出したら一気に動かせる部分があり非常にギャンブル性の高い値動きになったと思います。マネーゲームは予想されていましたが、うまくゲームに参加できた人は久しぶりに勝利の美酒でしょうか?
出来高は公募売出総計の2回転弱。ストップ高に張り付いたことで売買は増えていません。明日は即金規制明けで、この薄そうな板の中、どういった動きをするのかは注目です。ストック・オプションの40万株弱の動きには注意ですね。
SBI証券主幹事の人気IPOということでIPOチャレンジポイントのポイント換算もしたいと思います。100株530Pで計算すると122,600円÷530≒230円で、1P約230円ぐらいの価値にはなりました。インフレ化が進む中、1P100円以上でも十分な状態が続いており、SBI証券はIPOで今後、行政処分の動向含め暗雲が立ち込めているところもあります。早く現金化してしまう方が良いのかもしれません。
こちらはピタリ賞はでませんでした。
1,950円の初値予想もいくつかありましたが、残念ながらピタリ賞やニアピン賞になりにくい初値でしたね。近頃の地合い悪化を受けてSBI証券主幹事にしては珍しく読者予想も低めにはなっていたものの、超小粒IPOということでマネーゲーム銘柄として結局狙われましたね。
次にナイル(5618)。
初値売りで約1.4万円のマイナスです。公募当選者の方、残念でした。
【ナイル(5618)】(公募価格1,680円)
初値:1,540円(公募比: -140円/-8.3%)
高値:1,540円
安値:1,200円
終値:1,260円
出来高:1,088,300株(公募売出総計:1,320,800株)
初値は1,540円と引受価格の1545.60円を破る、まさに堤防決壊のようなナイル川の結果でした。ナイル川って大河でもっと緩やかに川が流れているようなイメージなのですが、社名と初値結果のインパクトがだいぶ違いますね。朝の時点で全く買いが入ってないことが確認できていましたが、初日の防波堤が逃げ場という状態でその後もズルズルと下げています。結局終値は1,260円です。出来高も公募売出総計を1回転しておらず、まだまだ保有状態の人も多そうですね。
しかし、このナイル想定価格は1,615円(想定仮条件1,440円~1,790円)で公開価格は1,680円とこの厳しいIPO地合いで結構高値で決められています。それが初日にいきなり1,260円になるなんて、IPOの正当評価なんてあったもんじゃないというのが良くわかりますね。
個人的にはこれに凝りてもっと公募株を欲しがる人が減ってくれればと思います。こんな銘柄でも抽選して外れるぐらいネットでは当たることが少ないIPO戦線です。当方はIPOが好きだからこそ、「IPOは簡単に儲かる」なんてアピールの仕方はせずにもっと現実を見てうまく立ち回って、皆で良いIPO市場を作っていきたいと感じます。
ナイルの主幹事はSBI証券とSMBC日興証券の共同主幹事でした。よ~く、今回の出来事のことは覚えておきましょう。
こちらもピタリ賞はでませんでした。
1,545円という予想はいくつかありましたが、規定上ニアピン賞にもなりませんのでご了承ください。当方の読者様は賢明な方が多く、ナイルに関しては疑問視している人が多かったでしょう。最近は仮条件強気も全く当てになりませんね。ここを高い公開価格で上場させた主幹事はやはり戦犯として見たほうが良いと思っています。
最後にロココ(5868)。
初値売りで約2,800円のマイナスです。公募当選者の方、残念でした。
【ロココ(5868)】(公募価格1,128円)
初値:1,100円(公募比: -28円/-2.5%)
高値:1,280円
安値:1,100円
終値:1,257円
出来高:5,440,800株(公募売出総計:1,350,000株)
こちらは地合いの煽りを受けて公募割れとなりました。初値は1,100円です。しかし初日ですぐに公開価格よりは高くなっており、初値で売ってしまった人はうまく売らされた感じですね。出来高も公募売出総計を4回転しており、とりあえず初値が公募割れして、セカンダリーでは非常に買いやすくなったIPOとして評価されそうです。
この銘柄はIPO新ルールで困った前例を作りましたね。仮条件は900~940円のところを新ルールの20%超えまでOKを提供して1,128円で決定しています。そして、仮条件の上限よりはプラスだけど、公開価格よりはマイナスというあべこべな初値結果となりました。だいたい決められた条件を超えて決められるという謎なルールは、今すぐにでもやめて欲しいところですが初値が異常に高騰するというのを防ぐという意味では役に立ってしまっています。
余計なルールの20%超えの幅を持たせたいなら、最初から仮条件に20%ぐらい幅広げて提示すれば良いことで、まだ新ルールが始まったばかりなので、今後いろいろな結果が出てこないとなんとも言えませんが、個人的にはルールはあるけど殆んど適用されないぐらいのなし崩し的に消えていくルールになって欲しいです。今は逆に適用させすぎで、20%超えに公開価格にしておいて初値公募割れという笑えない事態になってしまいました。
価格設定にKYな野村證券さんは今後も、高く出来るなら高く売ること何度でもやってきそうです。変なルールが出来てしまったものです。
こちらはピタリ賞が出ました。2名様が的中です。
それにしてもなんで公開価格940円にして、4桁のせの初値スタートに出来なかったのでしょうかね?野村證券さんは見栄えも気にするイメージですが、高く売れるなら高く売るKYな価格設定でも有名です。このどちらの特性もあるせめぎあいで、変な形の初値結果になった感じですね。
以上、3社の初値レポートです。
2023年からIPOセカンダリー戦略も書いていますが、それなりに遠からずの予想と絞り方が出来ていると思います。セカンダリーに手をつける人は多くはないかも知れませんが、ちょっと読んでおくと、儲けの種がさらに増えるきっかけになるかも知れませんので、とりあえず続けていきます。
⇒【IPO初値結果一覧表】上昇率、損益、その後の値動きなどチェックに
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