2024年3月上場ラッシュの本番と言える四社同時上場です。注目度の高そうなソラコムを含めて悪くない雰囲気の中、上場となりますが、過去を振り返ってみると四社同時上場は2021年の12月まで辿らないとありません。
2021年の12月といえば魔の上場ラッシュで過密スケジュールが問題視された時期ですね。6社同時、7社同時という状況もありました。上記リンクのIPO時系列データというのを見ると同時上場などの影響などの分析に使えるのですが、ただの一覧ですので使い方が分からないと謎なデータかも知れません。
結論的には「やはり同時上場は初値に多少なりの影響はありますよね」というのを確認するのに使って下さい。
それでは、明日上場の直前予想です。
まずは、ソラコム(147A)から。
・気配更新
上限値段:2,001円 気配更新:更新値幅44円、更新時間10分
下限値段:653円 気配更新:通常の更新値幅・更新時間(3分)
・注文受付価格の範囲 :218円~3,480円
それでは初値予想です(公募価格:870円)
1,580円(公募比: +710円/+81.6%)
読者予想平均値:1,457円 | 中央値:1,300円 | 補正値:1,364円
主幹事の引受価格:804.75円。
まずは明日の本命とも言えるソラコムですが、1,500円を少し超えたあたりの1,580円を最終予想としました。間違いなく注目される銘柄になりますが、規模感も大きくどこまで買い上がるかは不透明です。大手予想会社でも1,500円と2,000円にくっきりと割れています。私自身は1枚10万円以上の利益も今の地合いならありそうと直前予想を考えつつも、良く当たる方の初値予想を参考に冷静にやや下に下げて最終予想としました。
IoTプラットフォームとして今後の伸びにもかなり期待されているようで、上場時の御祝儀的なとりあえず買うという層も見られるかも知れません。また2,000円ぐらいをターゲットにしてすぐに株価が上がるような相場感がありますので、忖度側の予想も強ち見当外れな数字ではないでしょう。
とは言っても前日銘柄含め5社が同時に初値を迎える日になっていますので、とりあえず1,500円超えたら早く初値がついてそこからどちらに動くか?という展開になったほうが良いのでは?と思っています。初値後に2,000円にすぐ行くぐらいが注目IPOでこの規模感なら最高な結果だと思います。
次にJSH(150A)。
・気配更新
上限値段:1,049円 気配更新:更新値幅23円、更新時間10分
下限値段:342円 気配更新:通常の更新値幅・更新時間(3分)
・注文受付価格の範囲 :114円~1,824円
それでは初値予想です(公募価格:456円)
900円(公募比: +444円/+97.4%)
読者予想平均値:930円 | 中央値:880円 | 補正値:909円
主幹事の引受価格:419.52円。
JSHはBB前予想をほぼ据え置いて900円としました。もともとの874円は想定価格380円の2.3倍の数字です。こちらは公開価格が仮条件の上限超えとなり456円スタートです。この仕組みなんとかならんかと思っている公募組も多いでしょうね。最終予想も380円の2.3倍(初日上限値段)をイメージして900円で予想しています。
こちらはSBI証券主幹事案件ですので、とりあえず初値ですぐ売りも多いでしょう。また既存株主にVCも非常に多く初値がついてからの大口の売りリスクが常に付きまといます。1,000円程度の買いやすい単価で潜在的売り枚数的なものが多い展開。とりあえず1,000円以下で初値が始まって、そこからの勝負になりそうですね。
個人的には事業内容や創業者の経歴などから、応援したくなる株という印象ですが、応援すると株を買うかは別で、やはり900円付近でどの程度売りが出て株主の入れ替えがあるのかは気になりますね。
次にハッチ・ワーク(148A)。
・気配更新
上限値段:4,970円 気配更新:更新値幅108円、更新時間10分
下限値段:1,620円 気配更新:通常の更新値幅・更新時間(3分)
・注文受付価格の範囲 :540円~8,640円
それでは初値予想です(公募価格:2,160円)
3,200円(公募比: +1,040円/+48.1%)
読者予想平均値:2,700円 | 中央値:2,540円 | 補正値:2,724円
主幹事の引受価格:1,987.20円。
こちらは直前予想はBB前予想から引き下げて1.5倍付近の3,200円としました。こちらも公開価格は仮条件上限から20%上乗せの2,160円スタートです。1.5倍は3,240円ですので3,200円は1.5倍手前になります。こちらも既存株主にベンチャーキャピタルの名がずらりと並んでいます。業績推移を見ても赤字幅を拡大して回復したらすぐ上場ということで、とりあえず上場したい感は強いですので、セカンダリー組の警戒感が強く初値はあまり上がりにくいのではと感じます。
一方で大手予想会社の分析などからは、人気の不動産テックということで可能性や期待感は強そうです。小粒なので上場時に買っておけば、後から期待感が出て買われた時に加速が付けば大きく上がりやすそうに見えますが、ややギャンブル的ですね。
SMBC日興証券主幹事でこういうテック系はいきなり注目されて伸びていくこともあるので気にはなりますが、ハイリスクな印象も強いですね。ここに興味がある方はバイオ銘柄にも興味があって急激な動きにしたい人たちになりそうです(笑)
最後にL is B(145A)。
・気配更新
上限値段:2,733円 気配更新:更新値幅60円、更新時間10分
下限値段:891円 気配更新:通常の更新値幅・更新時間(3分)
・注文受付価格の範囲 :297円~4,755円
それでは初値予想です(公募価格:1,188円)
1,782円(公募比: +594円/+50.0%)
読者予想平均値:1,538円 | 中央値:1,540円 | 補正値:1,561円
主幹事の引受価格:1,092.96円。
こちらはBB前の予想を据え置いて1,782円としました。普通に1.5倍予想です。こちらも公開価格は仮条件の上限超えの1,188円と主幹事証券会社の強欲さが出ています。なお、売上の急成長ぶりは目を見張る物があり、成長性期待はかなり高そうです。直近の評価で1,500円ですので初値はここ以上は普通に評価されそうです。
ベンチャーキャピタルからの出資は37万株弱で発行株式枚数からの割合は大きくないものの、ひとまずは1.5倍超え辺りまでは十分な買いがあると見て評価しています。ただ、4社同時上場では規模感が2番手の中規模ですので、注目度分散の影響は受けやすく初日からはあまり買い上がりにくい銘柄に見えます。表面的な部分では4社の中で初値は煽りを受けやすそうな銘柄ですね。
しかし、明日上場予定の銘柄は4社中3社が仮条件の上限を20%超えたところからスタートです。地合いが良いので初値はプラススタートが見込めるものの、過去にこの形で2つも公募割れしていますので、あまり結果が良くなって「上限超え大丈夫」という変な前例を作ってほしくない気持ちも出てきますね・・・。
以上、明日上場予定の4銘柄の直前予想を更新しました。
さすがに4社同時上場はかなり目移りすると同時に、明日は持ち越し銘柄もあって5社同時上場と同じです。予想よりも注目度に強弱が出てくることも考えられますので、当方の予想や大手の初値予想を参考にしつつも、より「強弱」が付く可能性を考えておくと良さそうです。
【IPO初値結果一覧表】騰落率、損益、その後の値動きなどチェックに
各銘柄のセカンダリー戦略も随時更新しますのでnoteの方をチェックしてみて下さい。
セカンダリー戦略も人それぞれと思いますが、1つの考え方として見ておいても損のない内容が書けているとは思います。需要があるのかも考えつつとりあえずは続けていきたいと思います。
なお、上場ラッシュ中ですので短期的視点と、上場ラッシュ後の見直し買いが来やすい銘柄視点などを多く書いていくことになりそうです。後は上場ラッシュ中の基本戦略は「強いものはより強く、弱いものはより弱く」が多いです。そのあたりも考えて立ち回りたいですね。今日は4社の銘柄を同時に書くので、どちらかというと選別志向の話になりそうです。