7月IPO3件目の登場です。今年の7月初旬上場は6月上場に続いて多めですね。
七夕上場はこの銘柄になりました。

グリッド(5582)のIPO新規上場情報

もともとは再生エネルギー系の会社としてメガソーラーなど手掛けてました。社名の由来もそのあたりからでしょう。途中からAIを使ったインフラソリューションに舵を切っています。

想定価格は1,790円。主幹事は野村證券です。
吸収金額が想定価格ベースで23.6億円で、東証グロース上場の中型IPOです。

6月下旬からですが、吸収規模が10億~100億レベルの中規模IPOが連続しますね。このところの日経平均などの市況感はいいですが、グロース市場は出遅れ気味なので、そこがIPOラッシュから7月にかけて地合いが良くなっているかが気になるところです。

現在のグリッドのコア事業はコンピューターによる仮想計算により現実世界の最適化を測っています。主にインフラ系で強みを発揮して、最適な発電量などを求めて環境負荷削減などを狙ってます。

集中している分野は3分野。「交通状況の制御、空調制御を行うスマートシティ」「電力・エネルギー」「物流系」ですね。いずれも街レベルでの制御を行うという大掛かりなものというのが特徴でしょうか?

そのAI技術の特徴ですが、他社でも良く言われる「一気通貫のサービス」「売上には取り組み開始のフロー売上と継続して対応するストック型売上」があります。AI技術提供系の企業の目論見書をみると大抵、このような表記が載っていますね。AI活用の目指すところです。社会の最適化をAIに任せることで世の中がより便利になればいいですね。

グリッドの独自の特徴としては、「PoC(概念実証)」を実施しないことで、本番導入が速いという点になります。シミュレートしなくても本番適用できるためには、エンジニアが業界のことを良く知っていれば大丈夫?ということで進んでいるようです。ここの大株主に商社系が多いですが、商社から分野に詳しい人を入れてエンジニアとともに実践検証しているのでしょうか?

最後に量子コンピュータ活用にも書かれています。まだ実用化には進んでいないようですが、量子コンピュータの演算能力を使えば、さらに計算の高速化、規模の拡大が狙えると主張していますね。AIの分野ではいずれ活用が広がっていきそうな量子コンピュータですので、新しい技術には積極参加しないと技術で負けてしまうのでしょう。

業績です。2021年6月期に再生エネルギー事業からは撤退、AI開発事業に完全に舵を切っていますが、業績もそこから急回復を見せており2期黒字が見込めるところでIPOです。AI開発に集中して取り組んでからの伸びは驚くべきレベルかも知れません。他社ですと結構赤字でも未来があると見られますが、ここは大手が株主に入っているように早くから引き合いがあるように見えます。導入が早いというメリットを十分に活かしてそうです。やはりAIが良いと言われてもすぐに導入してすぐに結果が出ることをビジネスでは求められるのが良くわかりますね。

既存株主は少ないのでロックアップが付いていない寺島 敬臣が気になると思いますが、今話題(国税庁の税見解で)の信託型ストックオプションでの報酬分になりますね。話題のストック・オプションですので目立つところで、税務処理どうなっているのか気になります。

なお、IPO的には信託型のストック・オプションは、その名の通り「信託」してますので、受益者が権利を受けるのに時間がかかります。手続き等も考えればすぐに市場で売り圧になるというのは考えづらいです。

第一印象的には初値に期待できそうなIPOスペックですね。野村證券主幹事ですので、公募株ゲットできるかどうか?の勝負になりそうです。

グリッド(5582)のIPO新規上場情報

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