2017年からFUNDINNO(ファンディーノ)を皮切りに個人投資家でも少額からエンジェル投資に参加できる株式投資型クラウドファンディング(ECF)ですが、当方はほぼ全部の案件をまとめています。

ecfgraph2022

【株式投資型クラウドファンディング一覧表】調達規模、プレバリュー、その後の動きなどのチェックに

IPOや株主優待と同じように網羅的にデータを集めることで、大きな流れというのが掴めているとも思いますので、2022年のECF業界はどうだったか?を書いてみたいと思います。

FUNDINNO(ファンディーノ)

FUNDINNO(ファンディーノ)

まずはECFの代名詞ともなっているFUNDINNO(ファンディーノ)ですが、相変わらず取り扱い件数は圧倒的で、いつ訪れても何かの案件の募集をしている状況です。恐らく業界的にもECFならFUNDINNO(ファンディーノ)みたいな感じになっているので、株式投資型クラウドファンディングで投資して欲しい企業も、まずはFUNDINNO(ファンディーノ)にという雰囲気でしょう。取引市場を作るなど業界促進のためのシステムづくりも進んでいますね。

一方で2022年は2021年よりも取り扱い件数は増えましたが、成立数や調達金額は減っています。投資家登録している方も、良いものも悪いものも何でも取り扱っているイメージが強くなり、注目されないと良案件であったり隠れて気になる案件が不成立になってきているのが実情です。

ただ、選別した案件を出すのは他のプラットフォームにまかせてしまえばいいと思いますので、今後もファンディーノさんはとにかく業界推進のためにたくさんの案件を取り扱って欲しいですね。成立件数が2021年より2022年が少なくなっているのは残念ですので、2023年は2022年の成立件数・調達金額を超えるかが勝負でしょうか?

Unicorn(ユニコーン)

ユニコーン

元気が無いのが2番手だったユニコーンです。2022年は件数が9件に落ち込み(2021年は18件)、さらに成立数も少なく、過去の案件の追加などに頼ってしまっている状態です。

個人的にはUnicorn(ユニコーン)さんは「中の人変わった?」というぐらい急に勢いがなくなったと感じています。変な資本増強したせいで性質が変わったと言えるかもしれません。いい形でイグジットを出せてないのも事実ですので、せっかく個人投資家に有利な状況(株主優待など)が持ち味の良いプラットフォームだったので、件数は減っても成立数が減ることがないように頑張って欲しいですね。

イークラウド

イークラウド

一番堅実に伸びているのがイークラウドでしょう。2022年の最終案件で惜しくも初めての不成立案件が出ましたが、100%達成記録はいつ破られても仕方ありません。今後も選別した良案件を出すことで高い成立率を誇って欲しいところです。面白い案件が多いので、ECFプラットフォームの中では推しになります。

Next Paradigmの最速イグジットは見事で、注目が集まる要因にもなったと思います。2022年では一番躍進していい形で事業が進んだプラットフォームに感じます。

「CF Angels」・・・2022年にCAMPFIREが手を引きました。それまではシナジーを活かして案件を複数出していましたが、後半になって新規案件は止まっています。どうも株式投資型クラウドファンディングは一つの利用目的になっていて、別事業の方に注力しているように感じます。

「Angel Navi(旧GEMSEE)」・・・ここはいきなり案件がぽつと出てくるので、追いかけている方としても事前情報なく投資して良いものか?迷うことが多いです。後から募集期間延長したりとまだまだプラットフォームとして不安定なのが残念ですが、案件自体はちゃんと面白そうなので、プラットフォームと案件の内容は関係ないということで、とりあえず追いかけてはおきたいですね。


結局のところFUNDINNO(ファンディーノ)Unicorn(ユニコーン)イークラウドの3社が利用しやすいメインプラットフォームになりそうです。

FUNDINNO(ファンディーノ)をベースにたくさんある中から、自分が気になる案件が出るか?を見つつ、他の2つからは出てくる案件自体がそれなりに選別されていると思いますので、自分の投資したい領域に合致しているかで判断したいところです。

個人投資家が投資家登録しておきたい株式投資型クラウドファンディング業者の特徴と感想を随時更新

2017年から2022年で6年分のデータが溜まってきました。データが貯まれば貯まるほど意味がある情報が出せると思いますが、そろそろイグジット情報のデータもたくさん出てきていい頃でしょう。「倒産」「精算」「上場」「M&A」など数が増えてきたら、どんな案件がいい形でイグジットしやすいか?もう少し的確に紹介できるかもしれません。

【ECF結果一覧】成立結果、状況、その後の出口チェックに(分析版)