今年の最大規模になりそうな案件はキオクシアになります。東芝メモリの再上場案件ですね。東芝のメモリ部門の分社化、ベインキャピタルが買って売出再上場という流れです。

キオクシアホールディングス(6600)のIPO新規上場情報

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社名からは完全に東芝臭は消えています。「記憶」という日本語を使ってメモリ部門に注力した事業になっています。技術的には良いものを持っているかもしれませんが、コスト競争であったり、さらなる新技術の部分がどうなのかは気になりますね。

想定価格は3,960円。主幹事は野村證券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の共同主幹事(他5社)です。 吸収金額が想定価格ベースで約3,782億円で、東証市場未定(1部見込み)の大型IPOです。

どこから紹介すれば良いのかというところですが、東芝メモリの再上場はコロナ禍でも出てきたか?というところでしょうか?吸収規模3782億は久しぶりの大型案件です。

1000億を超える吸収規模案件は2018年上場のソフトバンク以来になりますね。なお、グローバルオファリングで海外募集分のほうが多くなっています。概ね国内35%、海外65%となります。売出分の多くが海外になりますね。

こうなると海外での人気、仮条件の状況が大きく左右するIPOになりそうで、公開価格で若干のディスカウントに落ち着くのか?という雰囲気でしょうか?

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主力製品は「フラッシュメモリ」で技術力としては世界の中でも遜色ないものは持っているでしょう。今後もメモリ自体は需要が高いと思いますが、他社との競争に勝てるか?というのが一つのポイントです。

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売上の依存度としてはアップルが結構大きいので、この関係を維持する技術革新を保ちながら他分野への採用も増やしたいところでしょうか?個人的にはSSDなどへの買い替え需要など結構豊富にあるとは思っています。

正直半導体産業で、本体から切り離されてファンドに買われて高値で売られるIPOですので敬遠すべきIPOでしょう。ただ、これまでもそういったIPOの中では多少健闘したIPOも多くあります。ジャパンディスプレイ(JDI)よりは、まだ魅力がある企業だと思っています。

想定価格が3,960円ですので値ガサで高く感じるかもしれませんが、時価総額では2.1兆円規模になります。過去の日米間連合の買収額は2兆円と言われていますので、そこから比べてべらぼうに高値で売り抜けようという腹はあまり見えてない気がしています。

パット見でファンド売出のイグジットIPOに見えるので不人気になりそうなので、チャンスも行く分か含まれていそうと感じる第一印象です。あくまで主観ですので、こういったIPOにはハナから参加しないという人もいると思うので、それはそれでいいと思います。

いずれにしても仮条件の状況や、その他、地合い・タイミングなどをブックビルディングまでにしっかりリサーチして後悔ないようにBBスタンスを決めたいと思っています。

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ここ最近、IPOは盛り上がっているのに公募株が手に入らない人に手に入れるチャンスにはなります。それでもしっかりと証券会社の準備はしておかないと逃すことになりますので、準備は急ぎましょう。

キオクシアホールディングス(6600)のIPO新規上場情報

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