11月のIPO新規承認です。東証2部上場銘柄で漢字社名、80期を超す社歴のある調理機メーカーです。IPOらしさがない超地味系案件ですが、SBI証券主幹事というのはややびっくりかもしれません。

日本調理機(2961)のIPO新規上場情報

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調理器ではなく調理機ということで、大きめの厨房機器の製造販売などです。「NITCHO」ブランドですね。オールド企業で今更IPO?という地味感は満載です。

想定価格は2,710円。主幹事はSBI証券です。
吸収金額が想定価格ベースで約7.88億円で、東証2部上場の小型案件です。

まず目についたのが資金使途の九州支店の建屋改築という部分でした。上場して手にして資金を工場建設に充てたりはしますが、しっかりと「老朽化した」と書かれていると調べたくなります。

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Googleマップで住所検索してストリートビューで見てみましたが、確かにかなり古くて耐震性など厳しそうです。NITCHOは全国展開していますので、どの地域も重要な拠点でしょうが、確かに調理機器を作るような場所はもう少し良い状態にしておきたいところです。

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ホームページの製品紹介ページを見ると、食品工場や外食系の調理で仕事をしていたりアルバイトをしたことがある人なら、見たことがあるような機器がたくさん見られます。こういうのって結構マニア受けしそうですよね。

施工事例をみると主な搬入先としては「学校給食センター」「写真食堂」「病院の調理」など様々ですね。長く続いている会社だけあり、食の機械ですのでずっと需要は継続しそうです。業績面をチェックしても、良い意味でも悪い意味でも安定している会社です。

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業績をみても横ばいもいいところです。純資産はじわじわと成長していますね。上場して成長に期待とはいかないので、安定配当などを求める感じでしょうか?

初値向きのIPOではありませんので、公開価格がバリュー感があるかがブックビルの判断材料になるでしょうか?

SBI証券主幹事でこのような地味な業態で安定感のある企業がIPOするのは珍しいかもしれません。幹事証券は豊富で穴場証券としては松井証券も入っています。ブックビル需要はそれなりに活気のあるものになりそうで、仮条件などの発表を待って割安感など判断したいと思います。公募売出の枚数自体は少ないので、需給面でもやや有利なIPOという判断も第一印象からは出来ます。

案外、こういうところ狙ってIPOチャレンジポイント使ってくる人もいるかも知れませんね。ボーダーラインが読みづらいところです。

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11月IPOは上旬ですでに3銘柄出てきました。スケジュール的にはちょうどよくバラけていますので、いい感じで資金循環して欲しいところです。

日本調理機(2961)のIPO新規上場情報

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