9月の末にIPO予定が出なかったと思えば、10月の初旬に複数出て同時上場となってしまいました。これでは分散したと言いづらいですね。9月末のラッシュが10月の初旬ぐらいまで続くと見ていきたいと思います。

西部技研(6223)のIPO新規上場情報

なかなか固い感覚のある社名ですね。「西部技研」4文字漢字で昭和らしさを感じます。事業内容をみると「デシカント除湿機やVOC濃縮装置等の製造、販売、据付・保守等のサービス」と書かれていますが良く分かりません。

想定価格は3,250円。主幹事はSMBC日興証券です。
吸収金額が想定価格ベースで196億円で、東証スタンダード上場の大型IPOです。

スタンダード上場で値ガサ、そして吸収金額200億程度の大型案件です。なお、公募193万株のうち143万株は自己株式の処分となっています。主力製品が「デシカント除湿機」と「VOC濃縮装置」になっていますが、何をするものか見ていきましょう。

「デシカント除湿機」・・・デシカントとは吸着という意味があるようです。乾燥剤とか除湿剤のイメージで日常でよく目にするものだとシリカゲルが一般的ですね。それの大型装置で様々な除湿が必要とされる施設で使われるようです。防カビ、防錆、乾燥などが必要な農業食品業他、多様な場面で必要となるようです。最近では二次電池市場で需要が高いようです。

「VOC濃縮装置」・・・VOCはVolatile Organic Compoundsのことで日本語だと「揮発性有機化合物」です。ダイソンの空気清浄機などでVOCの表示など見ますね。塗装業などで有害物質がよく出る現場に大型の装置が活用されているようです。

装置を支えるコア技術が「ハニカム構造」です。ハニカムは蜂の巣ですね。

産業に必要な装置を作り続けて大きくなり、現在では国内の5つの工場拠点、海外にも7箇所の製造拠点を持っているようです。

デシカント除湿機で調べると世界中でシェア争いでプレイヤーが居るようですが、確かに日本からは西部技研が頑張っているようです。ハニカム構造の高い技術力、質の高さが今後も評価されるかですね。VOC濃縮装置も日本ではほぼトップレベルのようです。

業績です。スタンダード上場銘柄らしい売上の横ばい感がありましたが、直近で連結体制になってからは伸びる可能性を含んでいますね。特に自動車関連で二次電池に塗装と超重要なエンドマーケットになっています。これからEV車が増えていくことで、もっと需要が高まりそうです。それを見越した上場といっても良いでしょう。

SMBC日興証券主幹事案件で、値ガサで規模感もあるのでなかなか慎重に見ていきたいIPOになりますね。これは全然買いだろという大手レポート評価に期待したいところです。このところのIPOの地合いが弱いのが気になるので、こういった縁の下の力持ちIPOでも勢いが出るようになることを期待します。

西部技研(6223)のIPO新規上場情報

初値予想もお願い致します。

IPO初値予想、読者予想の結果と投票所